後半を51-33と圧倒した痛快な逆転勝利
県立盛岡南とのウインターカップ初戦を迎えた飛龍。序盤は盛岡南のゾーンディフェンスに手こずり、リズムがつかめずにリードを許したが、オールコートプレスからターンオーバーを誘発する得意の展開で逆転すると、後半を51-33と圧倒し最終スコア84-63で勝利した。
原田裕作コーチは「盛岡南さんが粘り強いチームなので苦戦するだろうなというのがあり、相手がゾーンディフェンスだったのでそれに対しての対応が少し遅れてしまい、いつも通りのシュートタッチがなかなか戻らなかった」と、序盤の重い展開を振り返った。
相手の変則的なゾーンディフェンスをかいくぐり、シュートを放ってはいたが、原田コーチは打たされたシュートだったと言う。「パスだけになってしまっていたり、狙いの前にパスを出してしまったり、チグハグになってやりたいことをやれていなかったです。なんとなくパスは回っているけど、崩れていないという感じでした」
それでも、後半は持ち味を発揮し、『逆転の飛龍』と呼ばれる所以を証明した。「前半もかなり内容は悪かったんですけどリードできたので、後半は一気に行けるだろうなと。ディフェンスの部分を修正して、うまくアジャストできたと思います」
シュートタッチが悪いながらも、ゲームハイの26得点を挙げて勝利に貢献したのが古大内雄梨だ。序盤の失敗が響き、3ポイントシュートは15本中4本の成功と低調な確率に終わり、「3ポイントを打つことが仕事だと言われているので、リズムが悪くても打たせてもらっているので決めなきゃいけないと思っています」と反省の弁が口をついた。
シュートは水物というように、どんなに良いシューターであっても、入らない時はとことん入らない。それは単なるシュートタッチだけではなく、チームのリズムも影響する。古大内も「流れが良い時のシュートと悪い時のシュートは全然感じが違います」と話し、前半と後半のパフォーマンスに差があった理由を説明した。
ただ、後半にチームのパフォーマンスが上がっていったのは古大内のシュートがあったからでもあり、「後半に行くにつれて飛龍のバスケットができていたので、その流れが良い所で決められたのは良かった」と、笑みをこぼした。
明日は優勝候補に挙げられる強豪、東山と対戦する。原田コーチは「勝つ準備をしてきたのでしっかり戦いたい。大きなチャレンジです」と語り、古大内も「1カ月間、対策もしてきたのでそれを発揮できれば勝機はあると思います」と、同様の意見を語った。
決して簡単に勝てる相手ではないことは間違いなく、苦戦を強いられることもあるだろう。それでも、後半に真価を発揮する『逆転の飛龍』であれば、どんな困難にも打ち勝てるはずだ。