写真=Getty Images

NBA現役最強選手はハンドボールに転向しても世界一になる?

リオ五輪のバスケットボール競技では、男女ともアメリカ代表が順調に勝利を重ね、確実視されている金メダルへと一歩ずつ近づいている。バスケットボールに限らずオリンピックでのアメリカの強さは群を抜き、獲得メダル数を日々増やしている。

そんなアメリカも、スポーツなら何でも強いわけではない。男子バスケットボールの『ドリームチーム』とは対称的なのが男子ハンドボールの代表チームだ。

ボールを使う室内競技であり、チームスポーツであり、コートを駆け回って相手を止めボールを奪い、得点を挙げるという点でバスケットボールとは共通点が多い。では、バスケットボールのトッププレーヤーはハンドボールでもトップレベルでプレーできるだろうか?

『Washington Post』は、男子ハンドボールのアメリカ代表を率いるハビエル・ガルシア・クエスタに取材を申し込み、「レブロン・ジェームズのようなモンスター級のアスリートをハンドボールに転向させた場合、ワールドクラスの選手になるのにどのくらいの期間が必要か」を質問。クエスタの回答はこうだ。

「ざっと半年だろうね。もちろん仮説の域を出ないが、彼はすべてを兼ね揃えている」

同紙は、同じ質問をデンマーク代表のハンドボール選手、ミケル・ハンセンにも投げかけている。ハンセンは今年、自身2度目となるハンドボールの世界最優秀選手賞に輝いたトッププレーヤーだ。

ハンセンは「難しい質問だなあ」と笑うとともに、真面目に答えた。

「僕は大のバスケットボールファンだし、レブロン・ジェームズのことは尊敬している。コート上でのプレーはもちろん、ゲーム展開を読む観察眼は素晴らしい。フィジカルも強いし、ボールを投げる力もある。つまり、彼ならワールドクラスのハンドボールプレーヤーになれるかもしれないね」

ジェームズに限らず、NBAでプレーする選手なら、ハンドボールに適応する能力は備えているはず。同紙は、アメリカ代表としてリオ五輪に出場しているカイル・ラウリーにも同じ質問をぶつけた。だが、ラウリーの考えは、非常に現実的なものだった。

「走って、飛んで、方向転換して、ボールをネットに入れる競技の話だろ? 僕たちにならやれると思うよ。だけど、その競技の選手はどれだけ稼いでいるんだい?」

身長は低いもののスピード、パワーなど非常に高いアスリート能力を誇るラウリーは現実的すぎるコメント。