勝負どころではセカンドユニットが奮起
名古屋ダイヤモンドドルフィンズが富山グラウジーズとの第1戦を83-79で下した。
立ち上がりは名古屋Dのクォーターに。齋藤拓実がボールプッシュし富山のディフェンスが戻る前に自ら得点を重ねていく。ハーフコートオフェンスでもドライブでディフェンスを引き寄せては狩野祐介などのシューター陣にアシストすることで、名古屋Dは第1クォーターだけで3ポイントシュート9本中7本を成功させ27-16とリードを奪った。
それでも第2クォーターは富山の時間帯に。このクォーターで岡田侑大が17得点を挙げる活躍を見せる。前が空けば迷わず3ポイントシュートを放ち、ミドルでもステップバックシュートを沈めるなど続々とシュートを沈める。また、ゾーンプレスで名古屋Dのトランジションバスケを封じ、ハーフコートに戻ってもゾーンで名古屋Dを中に入れさせずミスを誘う。そして岡田や宇都直輝、ジュリアン・マブンガのハンドラー陣がボールプッシュすることでリズムをつかみ、24-13と圧倒して同点に追い付いた。
40-40の同点で迎えた後半。前半とは打って変わって1ポゼッションを争う戦いが続く。富山はスペーシングを上手くとることでマブンガのドライブやジョシュア・スミスのインサイドプレーを中心に攻める。対する名古屋Dは齋藤を起点としたトランジションバスケを遂行して自分たちのペースで得点を重ねていく。
62-58と名古屋Dがリードして迎えた最終クォーター。名古屋Dは齋藤を休ませるが、中東泰斗が身体を張ったドライブや3ポイントシュート、ジェフ・エアーズのポストプレーとセカンドユニットの奮闘でリードを広げていく。そして齋藤はコートに戻るとノールックパスで安藤の3ポイントシュートをお膳立てするなど、富山に的を絞らせないオフェンスを展開した。
80-72で迎えた残り38秒。タイムアウト明けのファーストプレーで城宝匡史にディープスリーを決められると、次のポゼッションでもオールコートで当たってくる富山のプレッシャーに圧倒されライオンズがミスを犯し、富山に得点を許してしまう。
残り25秒で3点差まで追い詰められたが、名古屋Dはタイムアウトを要求し落ち着きを取り戻す。そしてラストポゼッションにはライオンズが時間を使いながらも巧みなボールハンドリングでマブンガをかわし、タフショット気味の3ポイントシュートを沈めて勝負を決めた。
名古屋Dはこの試合でリバウンドとセカンドチャンスポイントを富山に圧倒されたが、ファストブレイクポイントでは9-4、3ポイントシュート成功率も富山が32.1%に対し、51.9%とトランジションバスケと外角シュートという、自分たちの強みを発揮して勝利した。また、後半の拮抗した時間帯では主力を休ませながらもセカンドユニットが奮起して主導権を富山に渡さなかったことも勝因の一つだ。そして齋藤は19得点8アシストを記録するなど、自分だけでなく見方を生かすプレーで勝利に貢献した。