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アメリカ代表は過去に出場した五輪17大会すべてでメダルを獲得、現在国際大会63連勝中

いよいよ今週末からリオ五輪が開幕する。3大会連続となる金メダル獲得を目指すアメリカ代表は、8月1日にヒューストンで行なわれるナイジェリアとの練習試合を終えると、ブラジルに向け出発する予定だ。

ここまでアルゼンチン、中国(2試合)、ベネズエラを相手に4連勝中であり、死角は見当たらない。NBAのスター選手で構成されるアメリカ代表の選手たちの姿勢や発言からも、気の緩みは一切感じられない。

まさに盤石の態勢で大会に臨もうとしているアメリカ代表。彼らを苦しめる敵は他国ではなく、過去のチームUSAの『遺産』かもしれない。五輪におけるアメリカ代表は、参加した17大会すべてでメダルを獲得している(金メダル14個、銀メダル1個、銅メダル2個)。そしてNBA選手が出場するようになった1992年のバルセロナ五輪を含む直近6大会では45勝3敗、金メダル5個と銅メダル1個という成績を残してきた。

「ドリームチーム」の名前からも分かる通り、「USA」である以上は最高のパフォーマンスを見せるとともに、金メダルを持ち帰るという結果を求められるのだ。この重圧を選手たちはどう受け止めているのか。7月31日の練習後、取材に応じたケビン・デュラントは「みんなそう言うけど、最終的に大事なのは勝つことだよ」と持論を述べた。

「2012年のロンドン五輪を思い出してほしい。予選ラウンドのリトアニア戦は5点差(99-94)で、最後までタイトな試合だったよ。スペインと対戦した決勝も、8点か9点リードしただけだったんじゃないかな(実際は107-100の7点差)。つまり、常に圧勝してきたわけじゃないってことだ。大事なのは勝つこと。勝ちさえすれば、圧勝だったか辛勝だったかまで覚えている人は少ない。結果が何よりも大事なんだ。良いプレーをして勝ちたいけど、大量点を取るためにプレーするわけじゃない」

新シーズンからウォリアーズでともにプレーするクレイ・トンプソンも、過去の代表との比較論について、こう述べている。

「もちろん比較はされるだろうね。アメリカ代表は2006年から負けていないし、コーチK(代表ヘッドコーチのマイク・シャシェフスキーの愛称)は、代表でのキャリアで1敗か2敗しかしていない。コーチKや国民をがっかりさせるような結果は残したくないよ。ただ、これだけ才能ある選手が集まっているんだから、個人スタッツを気にせず勝利のためにプレーすれば……実際にそうするつもりだけど、僕たちは成功を収められるはずだ」

準備段階である今は「地味」と言われるアメリカ代表だが、デュラントとトンプソンが言うように、国際大会では結果がすべて。世界中がアメリカ包囲網を敷く中、チームUSAは、今大会でも期待と重圧を背負い、金メダル獲得という目標に向かって邁進あるのみだ。

初代ドリームチームに比べ豪華さでは敵わないが、それでも十分最強に近い布陣が揃った7代目ドリームチーム。