「コービーはバスケットボールの変化に敏感だった」
NBA11年目を終えたデリック・ローズは、大きな浮き沈みを経験してきた。
リーグ史上最年少でシーズンMVPを受賞し、順風満帆なキャリアを送るかと思われたが、バスケットボール人生を脅かすほどの負傷が続き、一時は精神的にも苦しい時期を過ごした。それでも復帰を信じて努力し続け、2018年10月31日のジャズ戦ではキャリアハイの50得点をマークし、世界中のバスケットボールファンを感動させた。
かつてのような爆発的なスピードはなくとも、ティンバーウルブズ時代からシックスマン、あるいはゲームチェンジャーとしての地位を確立し、プレーヤーとして新境地を開拓している。そんな彼の目標は、少しでも長く現役を続けること。その秘訣を、今年1月下旬に急死したコービー・ブライアントの姿勢から学んだと、『Pushin’ Thru』とのインタビューでローズは語った。
「このリーグで20年プレーするには、とにかく適応する力が求められる。自分のスタイルをガラリと変える必要はないけれど、試合に対するニュアンス的な部分の修正は必要。例えばシューティング。みんなは、選手なら以前からシューティングを身につけていると思っているかもしれない。でも、このリーグでプレーする選手の中には、シューティングを習得していない選手だっているんだ」
「コービーは、そういう技術的な部分を身につけるために相当な時間を費やした。努力する姿勢で示してくれた。彼の姿、彼が選手として変わっていった姿を間近で見ることができた。コービーは、バスケットボールの変化に敏感だった」
ローズは、ブルズ時代からシュートが弱点の選手ではなかったものの、時代と共に変化したリーグの傾向、チームのシステムに合わせて自分のスタイルを微調整し続けている。また、大ケガから復帰してからも努力を続け、前述の通り再起を果たした。
「肘の手術を受けてから、自分のシュートを根本から変えないといけなかった。それに、ウルブズでは(3ポイントシュート成功率)40%を記録しないといけなかったからね。そうしないとこのリーグではやっていけない」
ピストンズでプレーした昨シーズンのローズは、50試合(先発15試合)に出場し、平均18.1得点、5.6アシスト、フィールドゴール成功率49%(キャリアハイ)という成績を残した。
早くもトレードの噂が出ているが、言い換えればローズを欲しいと思うチームが多いということ。12年目の来シーズンも、彼は必要な修正を加えてプレーするだろう。苦楽を味わったローズには、1年でも長くプレーしてもらいたい。