マイク・ダントーニ&スティーブ・ナッシュ

『ラン&ガン』でNBAを席巻したコンビが立場を変えて復活

ロケッツとの契約延長を選択せず、次にどのチームを指揮するか注目されていた指揮官マイク・ダントーニが選んだ新天地はネッツだった。ペイサーズかシクサーズが有力と見られていたが、誰も予想しなかったネッツ、しかもヘッドコーチではなくアシスタントコーチである。ネッツは今オフにスティーブ・ナッシュの新ヘッドコーチ就任を発表している。ダントーニはここに加わることになった。

10月30日、ネッツはダントーニをアシスタントコーチとして迎え入れることを発表。サンズ時代に指導したアマレ・スタウダマイアーと同じく、ヘッドコーチ1年目のナッシュを支える道を選択した。

ダントーニとともにアシスタントコーチとして入閣が決まったのは、元NBA選手のアイミ・ウドカ。トレイルブレイザーズ、スパーズなどでプレーしたウドカは指導者に転身し、グレッグ・ポポビッチの下で7年経験を積んだ後、昨シーズンはセブンティシクサーズのアシスタントコーチを務めていた。スタウダマイアーはプレーヤーディベロップメントアシスタントという肩書きになる。

ダントーニ、ナッシュ、スタウダマイアーと言えば、2000年代のサンズを支えた陣容で、7秒以内にシュートを打つという超速攻をNBAにもたらした革新的なチームだった。ダントーニ時代のサンズはNBAファイナルにこそ進出できなかったものの、全盛期のナッシュとスタウダマイアーを擁し、『ラン&ガン』と呼ばれたオフェンスはリーグを席巻した。

指導者歴ゼロのナッシュがどういうバスケットボールをするか気になっていたが、恩師ダントーニが加わったことで超攻撃型のチームになる可能性が高い。ケビン・デュラント、カイリー・アービングが軸になるチームの可能性は無限大で、彼らが加入した昨年夏の時点で、デュラントがアキレス腱断裂から復帰する2020-21シーズンの優勝候補に挙げられたチームだ。現役時代にNBAトップのポイントガードとして活躍したナッシュというカリスマが先頭に立ち、その脇を経験豊富な戦術家であるダントーニが固める。サプライズ人事が続くネッツに対する期待値は、ダントーニの入閣でさらに高まった。