アジア王座を懸けた決勝戦、U-18日本代表はホスト国イランに惜敗し準優勝に終わる

2016/08/01
日本代表
274

ロースコアな展開で明暗を分けたのは3ポイントシュート

テヘランで行われている「第24回FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会」、決勝戦まで勝ち進んだU-18日本代表は、ホスト国であるイランと対戦した。完全アウェーの状況下、日本は不動のスタメンである三上侑希、伊藤領、三森啓右、増田啓介、西田優大の5人をコートに送り出す。

立ち上がりから相手の3ポイントシュートを連続で浴びるも、増田がバスケット・カウントをもぎ取るドライブで反撃。後から振り返れば最初の1分強のプレーが、その後の試合展開を暗示していたのだが、日本は守備ではインサイドを連携良く固め、攻撃では足を使った仕掛けからジャンプシュートを高確率で決めて、イラン相手に一歩も譲らない上々の立ち上がりを見せた。

スティールからの速攻を増田が決めて7-6と逆転し、11-8とした5分45秒にイランが最初のタイムアウトを取る。その後はゴール下で高さを利するイランと機動力でかき回す日本、という展開が続く。それでも3ポイントシュートでイランが4本決めたのに対し日本はゼロという部分で差が付き、第1ピリオドを18-23で終えた。

第2ピリオドに入るとロースコアの展開に。日本は相手のポストアップを許さず攻め手を封じるが、攻撃に転じてゴール下に持ち込んでもブロックショットを浴びて得点を伸ばせず。ドライブの際の接触で西田が一時離脱するアクシデントに見舞われるも、伊藤のダブルクラッチ、さらには増田のジャンプショットが決まって、ピリオドの半ばで23-26と追い上げる。

ところが第2ピリオドの後半はイランの外角シュートが再び当たり始め、さらには5ファウルでフリースローからの失点を許してしまう。オフェンスでは増田を中心に果敢なドライブを仕掛けてイラン守備網を揺さぶるも、最後の1枚を引きはがせずにブロックショットされて得点を伸ばせず。

また3ポイントシュートは打つ機会すら作れず。前半で6本放って成功なし、21本中6本決めたイランとは対照的だった。加えてフリースローの成功率でも、日本の10本中6本成功に対しイランは7本すべて成功。かなり意欲的なパフォーマンスを見せたU-18日本代表だったが、前半を終わってみれば26-35と少なからずビハインドを背負うことになった。

増田はゲームハイの35得点を記録するも、後続が不発

第3ピリオドも重苦しい展開。短期間に7試合をこなして互いの手の内を知り尽くしているだけに、派手な打ち合いにはならない。日本代表はタイトなディフェンスでイランを封じ、唯一シュートが当たっている増田にボールを集めることで打開を図るも、増田のマークも厳しく容易に得点は伸びない。攻めあぐねる間にイージーミスが出始めて、40-52で第3ピリオドを終えた。

迎えた最終ピリオド、杉本天昇がジャンプショットを決めて追撃態勢に入ろうとするも、直後に3ポイントシュートを決められ出鼻をくじかれる。しばし膠着状態となった残り7分5秒、イランにこの試合10本目となる3ポイントシュートを決められる。タイムアウトを取るもイランの流れを断ち切ることはできず、直後に11本目の3ポイントシュートを決められ42-61、ビハインドはこの試合最大の19点に開いた。

ブロックショットを連発されてオフェンスが沈黙していた日本だが、ここで吹っ切れて果敢さを取り戻す。増田の個人技だけではなく、シェーファー・アヴィ幸樹、伊藤、杉本、西田とバランス良く得点できるようになるが、追い上げられながらも巧みに時計を進めるイランをとらえられない。結局、65-71まで点差を詰めるも、ここでタイムアップとなった。

増田はゲームハイの35得点を記録。厳しいマークを受けながらもフィールドゴール20本中14本の70%と高い数字を残し、日本で唯一の3ポイントシュートも決めている。その増田が総得点の半分以上を稼ぎ出した一方で、後が続かず。西田は約25分プレーしたが、前半に接触プレーで痛んでからは動きに精彩を欠いたのが誤算だった。

アジア制覇は逃したが、U-19世界選手権へと楽しみは続く

それでもマンツーマンとゾーンを使い分けるディフェンス、高さのハンデをカバーする連動性、ただ走るだけでなく果敢にチャレンジするオフェンス、タフショットをねじ込みに行く強引さなど、U-18日本代表がこの大会を通じて見せたバスケは新鮮味があり、なおかつエンタテインメント性も高いものだった。グループリーグでは勝ったイランに決勝で負け、タイトルを逃したのは悔やまれるが、来年のU-19世界選手権の出場権を確保したので「次への楽しみ」がある。

短期決戦の今大会の途中にも、AKATSUKI FIVEの選手たちは個人としてもチームとしても大きく成長した。ヘッドコーチを務めるトーステン・ロイブルもこうコメントしている。「開幕当初はリズムをつかめず苦労しましたが、チームは高いを通じて成長し、準々決勝を迎えるあたりから、コンスタントに力を発揮できるようになりました」

「勝つことはできませんでしたが、今回2位となったチームを誇りに思っています。選手、スタッフの仕事に取り組む姿勢は高い水準で、バスケットボール界に日本は弱くないことを証明しました。準備期間は数カ月しかなく、トップの他国とは比較にならない練習期間の少なさです。国際経験がない選手もいる中、この状況を考えると、自分たちの道のりはエキサイティングで、まだこれからです。自分はこの素晴らしい若者たちと仕事ができたことを誇りに思います」

世界選手権までの1年間で今のチームをどう伸ばし、変えていくか。メンバー選考も含め、ロイブルによる「世界を見据えたチーム作り」に注目していきたい。