ジミー・バトラー

ヒートの文化こそ「ジミーが求めていたもので、彼に足りなかったもの」

ヒートはNBAファイナル行きの切符をかけて、現地9月15日からセルティックスと対戦する。

第1シードのバックスと対戦した東カンファレンスセミファイナル前にはアンダードッグと見られていたヒートだが、ハードワークを貫いて下馬評を覆した。その中心にいたのがジミー・バトラーだ。

バトラーは昨夏にセブンティシクサーズからサイン&トレードという形でヒートに移籍。チームメートに自分と同じレベルの姿勢を求める彼は、時に辛辣な言葉を仲間にも浴びせた。その歯に衣着せぬ発言でブルズ時代もティンバーウルブズ時代も、チームメートとの関係にヒビが入っていた。

それでもヒートでは、ハードワークを徹する文化がバトラーの性分と合っており、強烈なリーダーシップを発揮してチームを勝利に導いている。プレーオフでの活躍もあり、以前と比べると周りからの評価も変わってきているが、ブルズ時代の2016-17シーズンにチームメートだったドウェイン・ウェイドは「ジミーは何も変わってないよ」と『Miami Herald』の取材で語った。

「僕はいつも言っているけど、ジミーがクレイジーだと思われたくなかった。彼には彼のやり方があって、それが誰にでも合うわけではない。今まではそういう環境にいただけ。ジミーはずっとハードにプレーし、重要な時にその力を発揮できる選手を求めていた。ただ、クラブによってはそういう選手が揃っていなかったり、コーチからするとやりすぎだと見えるかもしれない」と言うと、ウェイドはブルズ時代の話を例に出した。

ウェイドとバトラーは2017年1月に低迷が続くチームに対し「試合に対する気構えがなっていない」と若手をメディアの前で批判したことで、ブルズから罰金を科せられた。

ウェイドは「ヒートは『文化』と言い、僕たちもその言葉を使っている。それこそジミーが求めていたもので、彼に足りなかったものだ。そして正直に言うと、これこそ僕たちがブルズで罰金を取られた理由だ」と言い、ヒートの文化について明かした。

「あの時、僕とジミーが罰金を科せられたのは責任を問われたから。ミスしたとかそういう話じゃない。チームには、ともに喜ぶ、悔しくて泣くという観点ではなくて、共通意識を持ってパフォーマンスすることが大事だ。リードしている時はリードを維持する方法をどれだけ気にすることができるか、そういう選手やチームとしての性質の話。ヒートにはそれがある。その考えが根付いていて、選手に受け継がれている。ヒートには彼と同じようなスタイルの選手が集まっていて、理にかなっていた。ジミーにとってこれ以上の居場所は他にないかもね」