スティーブ・ナッシュに続いて現場復帰となるか?
ペイサーズはプレーオフ直前に前指揮官ネイト・マクミランと契約延長で合意しておきながら、ヒートとのファーストラウンドで敗退が決まると一転して解任を発表した。
ここ5シーズン続けてファーストラウンドの壁を突破できなかったことで変革が必要と思ったにしても、球団のイメージが損なわれる人事だったのは否めない。マクミランの後釜に座るのはスパーズのアシスタントコーチのベッキー・ハモンなど、すでに複数の候補が挙げられている。そんな中で候補に急浮上したのがチャウンシー・ビラップスだ。
現役時代にピストンズの優勝(2004年)に貢献し、ナゲッツ、ニックス、クリッパーズなどでもプレーしたビラップスは2014年に現役を引退。今は解説者として活動している。ポイントガードというポジション柄、現役時代から『コート上のコーチ』的な立ち位置だったビラップスは、過去にフロント入りが囁かれたこともある。2017年にはキャバリアーズのGM候補に浮上したが話はまとまらなかった。
ヒートにスウィープされたとはいえ、ペイサーズのロスターには優れた選手が集まっている。この4年でマクミランが築いたチームは東の強豪に数えられるまでになった。だからこそ電撃解任は解せない人事だった。ここからは推測の域を出ないが、もしチームの主力がマクミランに対して何らかの不満を抱えていたのだとしたら、球団が契約延長から突如解任に舵を切った理由も分からなくはない。
その点ビラップスはというと、数年前からビクター・オラディポ、マルコム・ブログドンと良好な関係を築いていると『ESPN』が報じている。指導者未経験がネックになるとはいえ、ネッツがスティーブ・ナッシュを招聘した最近の例もあり、ナッシュと同様にリーグを代表する司令塔だったビラップスには、ヘッドコーチとしてのポテンシャルがあるのかもしれない。また、『ミスター・ビッグショット』の異名通り大舞台に強く、強いリーダーシップを発揮したことで多くの選手から慕われ、尊敬されるリーダーだった。ナッシュに続いてビラップスも現場復帰となるかどうか、推移を見守りたい。