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ロケッツのディフェンスをチームオフェンスで翻弄

「事実上の決勝戦」とも呼ばれるロケッツvsウォリアーズの西カンファレンス決勝。その第1戦ではケビン・デュラントが37得点、クレイ・トンプソンが28得点を挙げたウォリアーズが119-106で勝利した。

前半を56-56と同点で折り返す互角の展開となったが、後半に入るとウォリアーズがペースをつかむ。タフショットを強いることで、約5分間ロケッツの得点を2点のみに封じると、ターンオーバーから速攻に転じフリーの得点チャンスを確実に沈め12-2のランで抜け出した。

最終クォーター、エリック・ゴードンの3ポイントシュートで先制され4点差とされるが、すぐさまトンプソンが3ポイントシュートを決め返しリードを保つ。セカンドユニットメインの時間帯で、トンプソンが8連続得点を挙げ13-4のランを牽引し、100-87とリードを広げた。

ロケッツはクリス・ポール、ジェームズ・ハーデンを戻し最後の勝負にかけるが、ウォリアーズも『デスラインナップ』と称される、スモールラインナップへメンバーを戻す。

ドレイモンド・グリーンのヘルプディフェンスや、デュラントのウイングスパンを生かしたシュートチェックなど、機動力に特化したウォリアーズ守備網をなかなか突破できず、点差を縮められないロケッツ。

残り2分、ハーデンのフリースローで10点差とするが、すぐさまカリーがレイアップを返すなどウォリアーズは時間を消費しながら確実に得点を重ねて10点前後のリードを保つ。こうしてウォリアーズがロケッツに付け入る隙を与えず、第1戦を制した。

ホームで初戦を落とした指揮官のマイク・ダントーニは、37得点を許したデュラントの存在と、フリーのシュートシーンを多く作ってしまったディフェンス面を敗因に挙げた。「彼はNBA歴代でもベストスコアラーの一人。その彼が絶好調だったが我々も耐えた。だがボールムーブを抑えられず、何度もワイドオープンな3ポイントシュートを許してしまった」

ウォリアーズはファストブレイクで18-3、ターンオーバーからの得点で17-9と大きく差をつけた。この数字が示すように、トランジションからアウトナンバーを作り、何度もイージーシュートの機会を得た。そして、ロケッツはプレーオフ最多となる54失点をシュートチェックができない状況から許している。

ゲームハイの41得点を挙げたハーデンの活躍も実らず、ホームでの初戦を落としたロケッツ。破壊力抜群のオフェンス力を持つ両チームなだけに、それを許さないディフェンスがシリーズのカギを握るだろう。