NBAで20年という目標達成のため今オフは移籍も視野に
トニー・パーカーにとって、スパーズでの17年目は変化の年だった。昨年のプレーオフで痛めた大腿四頭筋のケガから昨年11月下旬に復帰したものの、指揮官グレッグ・ポポビッチはデジャンテ・マレーを先発ポイントガードに起用。パーカーもそれに納得した上でセカンドユニットに配置換えとなった。
その結果、出場時間はキャリア最少の19.5分に終わり、1年目以降ずっと続いていた連続2桁得点も途絶えた。だがパーカーは、35歳という年齢を考慮したポポビッチの親心に理解を示し「そういう時期が来たということ」と語り、新たな役割を受け入れた。
オフにフリーエージェントになるパーカーの周辺では、スパーズとの再契約が濃厚という見方が強い。本人も残留を希望しているのだが、それと同時に他チームからのオファーも聞く用意があると『RMC Sports』に語っている。
「スパーズとの再契約は確実な話ではない。オープンな状態で、他のチームの話も聞くつもりだ。サンアントニオでキャリアを終えたいという希望はあるけど、NBAはビジネスでもある。選択をしないといけない」
「スパーズで17年やってきたから、もし移籍することになったら感傷的になるだろう。でも、たいしたことじゃない。あと2、3年はやりたい。移籍する可能性は50%くらいかな。まだ引退はしない。NBAで20年プレーしたいんだ」
もしパーカーに「先発で」という意欲があるのなら、それには移籍しかない。当然ポポビッチは慰留を試みるだろうが、その時にパーカーはどんな決断を下すのだろうか。スパーズファンはパーカーが他チームのジャージーを着た姿を想像できないだろう。しかし、パーカー本人が語るように、これは彼にとってのビジネスだ。20年目までやることが最優先であれば、スパーズとは一区切りつけて心機一転という道もある。
優勝経験、実績、若手への影響力、リーダーシップを備えているパーカーほどのポイントガードが移籍の意思を見せれば、獲得に乗り出すチームは多いだろう。今後の契約交渉次第で、パーカー争奪戦が7月から始まるかもしれない。