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一悶着あったロジアーとブレッドソーも『ノーサイド』

勝ったチームが東カンファレンス準決勝に進出する『Game7』ホームのセルティックスは第3クォーターにリードを2桁に広げると、そのままバックスを寄せ付けず112-96で勝利した。

大一番でプレーオフでのキャリアハイとなる26得点を記録したセルティックスのテリー・ロジアーは、今シリーズを通じてバックスのエリック・ブレッドソーと舌戦を繰り広げた。これは、ロジアーがブレッドソーの名前を元NFL選手のドリュー・ブレッドソーと言い間違えたことが発端。第2戦の試合後ブレッドソーは「俺はロジアーなんてヤツは知らない」と反撃。ここからヒートアップした2人は、第7戦のコート上でも激しくやり合った。

しかし、第7戦の会場はボストン。熱狂的なファンが多いこの街で敵視されるのはブレッドソーの方で、試合中には「Who is Bledsoe」(ブレッドソーって誰?)というチャントが起こり、スタンドも総出でバックスを挑発した。

しかし、試合が終わればノーサイド。激しくやり合った2人は試合終了とともに抱き合って健闘を称え合った。試合後、ロジアーは「俺はブレッドソーを尊敬している」とコメント。今シリーズで平均16.2得点の活躍を見せた要因については「これまでの経験から学んだことを生かせているし、何よりも落ち着いてやれているのが大きい」と話した。

シリーズを勝ち上がったとはいえ、セルティックスはまた新たな不安材料を抱えることに。カイリー・アービングの離脱以降、オフェンスの中心を担ったジェイレン・ブラウンがハムストリングを痛めてしまったのだ。ヘッドコーチのブラッド・スティーブンズは「他の選手に素晴らしいプレーをしてもらわないといけない」と語るが、これは大きな痛手。次ラウンドの相手シクサーズはベン・シモンズが絶好調で、ジョエル・エンビードも眼窩骨折の影響がもうなくなる頃。タレントレベル、選手層ともにシクサーズに分がある。

一方、『鬼門』の第6戦を乗り越えて第7戦にたどり着いたバックスは、またもプレーオフ1回戦で敗退。だが、この経験は若い選手の多いチームにとって大きな糧になるはず。ヤニス・アデトクンボは「第7戦に勝つために何が必要か分かった。こういう試合では、先に動いて相手にダメージを与えないといけない」と話す。

セルティックスにも言えることだが、バックスの将来は明るい。アデトクンボも今シーズンの経験を通じてまた成長し、来シーズンもシーズンMVP級の活躍を見せてくれるだろう。

アービングが手術に踏み切ったことで盛り上がりには欠けたかもしれないが、若い選手たちによるハイレベルな攻防が見られたシリーズだった。