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「2ウェイ契約でも感謝していたよ」

「夢が現実のものになった。この機会を与えられたことに感謝したい。僕にとっては大きなモチベーションになるし、自分にできる限りのことをしてチームに貢献するつもりだ」

ウォリアーズと2年契約を結んだクイン・クックは10日の練習後にこう語った。オムリ・カスピが犠牲になったが、クックはプレーオフのロスターに入り、来シーズンの契約も勝ち取った。名門デューク大の出身だが、すでに25歳。NBAデビューまでに時間は要したが、様々な条件が重なり転がり込んだチャンスを生かし、貴重な契約を手にした。

『コーチK』ことマイク・シャシェフスキーの下で2015年のNCAAトーナメント優勝に貢献したものの、ドラフトでは指名されず。Dリーグで活躍するも、なかなかチャンスを得られなかった。今シーズンも2ウェイ契約からのスタート。Dリーグのサンタ・クルスでプレーし、ステフ・カリーのケガがなかったらウォリアーズでプレーする機会は極めて限られたものになったはず。それでも彼はチャンスを生かし、結果を出し続けることで今回の契約を手にした。

立場の保証されない2ウェイ契約は厳しいものだが、クックが腐ることはなかった。「いや、2ウェイ契約でもウォリアーズの一員になれることに感謝していたよ。おかげで僕は学ぶことができて、今回の契約に至ったんだ」

NBAで活躍する選手のすべてが、ドラフト指名を受け注目されてデビューするわけではない。クックのように大学で4年間を過ごし、ドラフトにかからなくても努力を重ねてステップアップするケースのほうが多い。チャンスが来た時に準備ができているかどうか、そのために誰にも知られない努力を重ねられるかどうか。クックはそれを積み重ねて、正式にウォリアーズの一員となった。