セミファイナルでの活躍も「チームメートに感謝」
昨日行われたWリーグのセミファイナル、JX-ENEOSサンフラワーズは危なげなくシャンソン化粧品を撃破した。渡嘉敷来夢は35分の出場で、23得点と12リバウンドはいずれもゲームハイの数字。エースとして期待を裏切らない働きで勝利に貢献した。
「一発勝負なので相手がどう守ってくるのか少し気にはなっていたんですけど、自分もそうですし、メイさん(大崎佑圭)のところもダブルチームで潰しに来る、一発勝負となればそれは想定内だったので。ただどこから来るのか最初は分からなかったのが、うまくアジャストできました。あとは岡本(彩也花)が特にシュートが当たっていたので、良い流れで明日につなげられたのかなと思います」
渡嘉敷はそうチームの状態を評価するが、一方で自身の出来については「別に良くもないし悪くもないしって感じです」と、攻守両面で試合を支配していたにもかかわらず素っ気ない。
「常に2人ついている中でみんなが自分を見てくれて、うまくガードが自分を使ったくれたり、シューターが自分を使ってくれたのは、チームメートに感謝です。じゃあそこで自分が何をしようかと思った時、ディフェンスとオフェンスリバウンドは1対1だから行けると意識しました」
WNBAと日本代表で世界と渡り合う渡嘉敷にとっては、Wリーグでの活躍は想定内といったところか。ただ、どの試合にも正しいアプローチで臨む姿勢があってこそ。シャンソンとの試合が終わった直後、渡嘉敷はもうファイナルで当たるデンソーアイリスへと意識を切り替えていた。
「髙田選手を止めるのは自分しかいない」
デンソーについては「ウチと強いところが似ています」と評する。「特に3、4、5番が強いイメージです。近年ずっとそういうイメージなので、個人的にはやりやすいと言えばやりやすいです。でも今日は稲井(桃子)さんがインタビューされていて活躍したと思うので、これから帰ってゆっくり休みながら試合を見ます」
今日のファイナルで楽しみなのは、渡嘉敷と髙田真希のマッチアップだ。高校の先輩後輩であり日本代表のチームメートでもある2人のマッチアップの出来が、今日のファイナルの趨勢に大きく影響するのは間違いない。
「楽しみです。髙田選手を止めるのは自分しかいないと思っているので。自分が付いた時に、どういうことをしてくるのかな先輩、って思います」と渡嘉敷は笑う。
「自分のオフェンスよりも髙田選手を0点に。0点は無理なんですけど、自分が同じぐらいの点数を取ればチームの調子は上がってくると思うので、リズムをつかませず、いつも通りには点を取らせなければ。苦しい状態での20点と簡単な20点だったら、苦しい20点のほうが気分的にも嫌だと思うので。取らせないのが一番ですけど、そういった形で取らせるようやっていきたい」
今日勝てばWリーグ10連覇となるが、渡嘉敷にその意識はあまりない。「とりあえずあと1回勝ちたい気持ちです。相手も大事ですけど、自分たちのバスケをまずしっかりやりたいです」
Wリーグのファイナルは今日15時、大阪市中央体育館にてティップオフとなる。