保岡龍斗

男女とも2勝を挙げるもグループリーグ敗退

3人制バスケットボール3×3のパリオリンピック出場権を懸けたユニバーサリティオリンピック予選2(UOQT2)は大会2日目。男子日本代表はエジプト、フランスと対戦した。

1日2試合のスケジュールの初戦となったエジプト戦、フィジカルで強引に押してくる相手の攻めを止められずに日本は先行を許す。オフェンスでは昨日のモンゴル戦で決まりに決まりまくった2点シュートをこの日も多用するも、ボールを動かすところで相手のパワフルな守備に阻まれ、リズム良く打てない2点シュートが決まらない。

それでも日本は相手のディフェンスを見て、2点シュートを警戒されているならばとドライブで中に切り込み、保岡龍斗だけは常に前が空いたら打つ積極性を持ち続けた。18-20とノックアウト負けの一歩手前まで追い込まれた状況で、ケネディがトランジションからようやく得たワイドオープンのチャンスで2点シュートをねじ込んで同点とする。ただ、その直後に相手のドライブを止めにいった三谷桂司朗がファウルを犯した。

会場内にすさまじいブーイングが響く中、エジプトが決まればノックアウト勝ちのフリースローを落とす。日本はタイムアウトを使い、勝負を懸けたオフェンスをデザインする。ここで三谷は、3×3の代表経験豊富な他の3人に任せようとベンチに戻ったが、保岡から「お前が攻めるセットで行こう」と声を掛けられた。「そこでマインドセットできて、保岡さんのおかげで最後に自分らしさを出せました」と三谷は言う。

そのセットは三谷をリムアタックさせるもの。ディフェンスは付いていたが迷わず攻めてファウルを引き出した三谷は、重圧のかかるフリースローを決めて、日本代表を勝利に導いた。「昨日から感じていましたが、本当にホームの皆さんの声援が力になっていますし、最後に相手がフリースローを外したのも皆さんのおかげ。本当に感謝しています」

落合知也

「次に向けて一緒の方向に歩めるよう引っ張っていく」

迎えた最終戦はフランスが相手。日本は13得点を取った時点でグループ2位通過が確定し、勝てば全勝で文句なしの1位通過となるところだったが、思わぬ落とし穴が待っていた。スクリーンに対してスイッチせずに追い掛けるディフェンスを相手に対策され、そこを突かれての連続失点でリズムが狂った。1日2試合のスケジュールは相手も同じだが、フランスはオリンピック開催国で出場権を逃すわけにはいかない決死の覚悟があり、日本はその気迫に飲み込まれた。

10分間で決着のつく3×3では、一度リズムが崩れるとそのまま一気に持っていかれてしまう。その3×3の怖さが出て、日本代表はグループ突破に必要な13点を取れないままノックアウト負けを喫した。落合知也は「常に遂行力を高くしてやらないと圧倒的に負けてしまう。やっぱり我々は強くないチームだと認識して、一試合一試合でエナジーを出してやらないといけない」と語った。

2週間後にはパリオリンピック出場権獲得の最後のチャンスとなる世界最終予選(OQT)がハンガリーで開催され、すぐにその準備に入らなければならない。「いま負けたばかりで、なかなかすぐ次というのは言葉にするのが難しい」と落合は言ったが、チームリーダーの責任からすぐに意識を切り替えた。

「今はもう本当に全員がショックだと思うんですけど、明日からはそんなクヨクヨしていられないし、明日からハンガリーのことを考えなきゃいけない。今日寝て起きたら、もうしっかり切り替えられるように、まず僕が切り替えないといけないです。いつまでも落ち込んでても仕方がないので。この後みんなで冷静に話し合って、次に向けて一緒の方向に歩めるように引っ張っていきたいと思います」

女子日本代表も2勝を挙げるもセミファイナルには進めず、OQTに回ることになる。16チームのうち上位3チームに最後のオリンピック出場権が与えられるこの大会は、5月16日から19日にかけてデブレツェン(ハンガリー)で開催される。