文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

攻守が噛み合い、前半で2桁リードを奪う

レバンガ北海道vs西宮ストークスの第2戦。攻守ともに連動したチームプレーで西宮を上回った北海道が、今シーズン初の100点ゲームで快勝した第1戦に続き、89-60で連勝を収めた。

オン・ザ・コート数は互いに「1-2-1-2」を選択。第1クォーター序盤、北海道は流れるようなボールムーブからシュートチャンスを次々と作り出し、得点を重ねていく。ディフェンスでも強度の高いディフェンスでイージーシュートを許さない。

マーク・トラソリーニのブロックショットから野口大介のジャンプショットにつなげ、開始6分で13-4と突き放す。終盤に松崎賢人に3ポイントシュートを許すも、折茂武彦が速攻からレイアップを決めるなど優位を保った北海道が20-13とリードした。

しかし、第2クォーターに入って西宮のアグレッシブなディフェンスにつかまり、このクォーターだけで6個のターンオーバー。キャメロン・リドリーにインサイドでの得点を許し、残り3分半で31-27と4点差まで迫られた。それでもここからディフェンスを立て直し、ターンオーバーからの逆襲で桜井良太のミドルシュートを決めて流れを呼び戻すと、多嶋朝飛の速攻などで8-2と締め、39-29と点差を2桁に乗せ前半を終えた。

インサイドを強調する西宮の攻めを個で組織で封殺

勝負が大きく動いたのは第3クォーターだった。西宮は得点源の谷直樹が不在で攻め手を欠き、インサイドを強調することで打開を図る。前日の第1戦ではペイントエリア内40得点と機能したが、北海道の対策が上回った。トラソリーニやダニエル・ミラーが1on1で高い守備力を見せ、さらに周りの選手も駆け引きをしながらダブルチームに行き、タフショットを誘発していく。結果、西宮は単調な1on1でシュートまで持ち込めず、ボールを戻してもズレは生まれず、ショットクロックがわずかなところからタフショットを打つオフェンスを強いられた。

対照的に北海道はボールと人が連動したオフェンスを展開し、イージーシュートのチャンスを次々と作り出していく。残り3分7秒、松島良豪からペイントエリアに切れ込む折茂へパスが通り、ノーマークのゴール下を決めて56-35と点差を20に乗せた。

第4クォーターを迎えた時点で63-38と勝負はほぼ決していたが、それでも北海道は攻め手を緩めない。新外国籍選手のディジョン・トンプソンが3ポイントシュートを含むすべてのシュートを成功させ8得点。松島の3アシストを筆頭にこのクォーターで8アシストを記録するなど、チームバスケを貫いた。西宮はドゥレイロン・バーンズが最終クォーターに12得点を奪い気を吐くも、すべてのクォーターで北海道に上回られた。結果、89-60で北海道が完勝している。

債務超過も解消へ「より皆さんに愛されるクラブに」

北海道はトラソリーニがゲームハイの20得点を挙げ、さらには出場した11人すべてが得点を記録した。また松島が9、多嶋が8アシストを記録。前日の30-17に続き、アシスト数で29-11と大きな差を付けた。そして2点シュートは44本中31本成功の70.5%と高確率。アシストからイージーシュートの機会を多く作ったことがチームバスケの完成度を物語る。水野宏太ヘッドコーチも「両日ともアシスト数が多かったのは、自分たちのやりたいバスケットができた結果。ディフェンスも最後まで集中できたし、成長を感じられた」と選手たちを称えた。

試合の最後にはチーム代表を務める折茂武彦から、B1ライセンスのために必要な債務超過整理の目途が立ったことが報告され、会場のファンには涙を流して喜ぶ姿もあった。折茂は言う。「これまでの7年間、ブースターの皆様やスポンサーの方々にお金の心配ばかりかけてしまっていましたが、なんとか今期で目処がつく予定でありますので、これからもより皆さんに愛されるクラブになっていけるように頑張っていきます」

これで北海道は21勝19敗となり、栃木ブレックスに通算成績で並び、サンロッカーズ渋谷にも1ゲーム差と迫った。チャンピオンシップを狙える位置に再び浮上した北海道にとっては、最高の夜となった。