日本代表の問題を直視する馬場雄大「世間が気にするのは勝つか負けるかなんです」

2018/03/03
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=野口岳彦

ワールドカップ1次予選のWindow2、日本代表はホームのチャイニーズ・タイペイ戦、アウェーのフィリピン戦で連敗し、0勝4敗と文字通り崖っぷちに立たされた。アルバルク東京の馬場雄大は右リスフラン関節捻挫の回復が間に合わず、このWindow2には出場できず。ホームゲームには帯同したが、敗戦をただ眺めることしかできなかった。

その馬場の内面が変わりつつある。昨年2月に代表デビューを果たしたが、その頃は経験豊富な選手が揃う代表チームにやや気遅れして加わっている最年少の学生プレーヤーだった。それでも今シーズン初めからアルバルク東京の一員となり、エナジー全開のプレーでリーグ首位を走るチームに貢献。代表にも定着して自信をつけている。次のWindow3は6月下旬。その前にどの選手もBリーグで個々のスキルを磨き、レベルアップしなければならない。若いだけに大きな伸びしろがあると期待される馬場に意気込みを聞いた。

若手選手が持つ「世界と戦えて当たり前」の精神

──連敗は残念でしたが、今回のWindow2の2試合を見てどんな印象でしたか?

チャイニーズ・タイペイ戦はラマスさんに呼ばれて見に行きましたが、フィリピン戦の時もそうだったんですけど、『ホームの力』を自分たちの力に変えられていない印象を受けました。緊張だったり、そこがマイナスに働いてしまってる部分もあったかと。それこそアウェーのほうが出だしで思い切り良くやれていました。

具体的には比江島(慎)さんが先頭を切って点数を取っている中で、次の選手が出てこなくて、一人孤立させてしまっているところがあるかなと思いました。比江島さん任せだったり、他人任せというか、「誰かがやってくれるだろう」と見えたところもありました。技術はあるので、それをどうコートで表現するかだと思います。

──他人任せにならないために、それぞれの選手が何をすればいいと思いますか?

ミスしてもいいから思い切りやることが大切なのかなと思います。ミスしないように無難にやろうとした結果、アグレッシブさが抜け、常に追う立場になってしまいました。「自分がこのチームを引っ張ってるんだ」という意識が増えてくればプレーにも影響してくるはずです。

「物怖じせず、思いっきりやる姿勢を僕は出せる」

──日本代表を見ていて感じるのは勝負どころでのメンタルの弱さです。経験豊富な選手は多いですが、成功体験を積み重ねているわけではありません。むしろ馬場選手やその下の年代のほうが自信を持ってプレーしているように感じます。そんなメンタルの差は感じますか?

フル代表とアンダーカテゴリーでは責任が違います。でも今年に限った話じゃなく、監督を入れ替えたりもしてきましたが、どうしても勝てなかった過去は消えません。なので、それも少しはあると思います。実際、若い選手は世界で結果も残してますし、やれて当たり前という気持ちを持っていると思うんです。そういう勢いを持った選手を一人でも入れることが大切なのかなと。

(渡邊)雄太さんだったり(八村)塁だったり、(田中)力君にしろ、世界を舞台に堂々と戦っている選手がいます。意欲的な姿勢も見せてくれると思うので、そういったスパイスを入れることで全部が変わる可能性もあるかなと感じます。

──その若い世代の筆頭として馬場選手への期待があるわけですが、そういう意味ではA東京でのチームメートである田中大貴選手に追い付く、追い抜く気概も持っていますか?

この2試合、大貴さんは思うようなプレーができなかったと思います。そういう意味では技術は抜きにして、気持ちの部分では僕が上回ることもできると思っています。物怖じせず、思いっきりやる姿勢を僕はコート上で出せると思っているので。

大貴さんは皆さんから見たら少し結果を出していると思うんですけど、同じチームでやっていて大貴さんのすごさを知っている僕からすると、大貴さんならもっとできるなって。大貴さんの性格も分かるし、不満の残る試合だったと思います。そこは気になりました。客観的に自分には何ができるかを考えた時、もっと刺激的な、味の違う選手にならないといけないと感じました。

「日本人選手とのマッチアップでは圧倒するつもり」

──運命のWindow3まで約4カ月あります。馬場選手はどの部分を向上させたいですか?

今は国際試合で結果を出すことが僕たちに求められています。Bリーグと国際試合は違うので、これと言って何を上げればという特別なものはないと思っていて。マッチアップする相手が日本人となると、いくら外国籍選手がいても日本のバスケになってしまうところがあります。そこが課題になってくるので、Bリーグでどうするかではないのかなと。だから国際試合で通用するようなプレーを、世界と戦う意識を持ってやるしかないです。日本人選手とのマッチアップでは圧倒するつもりでやります。

僕は全然あきらめていませんが、0勝4敗で「無理なんじゃないか」という空気は少なからず流れていますよね。バスケット界では「希望がある」と言いますが、他の業界からしたら「バスケはまた負けたのか」って感じで受け止められているんだと思います。世間が気にするのは勝つか負けるかなんです。

実際に負けているわけで、次、次とは言ってられません。だからWindow3では本当に結果を求めてやらなければいけないし、負けられません。だからこそ東京オリンピックも僕はあきらめていないです。そこはアルバルクで意識のところから変えていきます。