パウ・ガソル

「相手の選手は僕たちが何を話しているか分かっていなかった」

パウ・ガソルは、レイカーズ時代に故コービー・ブライアントと阿吽の呼吸でプレーできるケミストリーを構築した。それが2009年と2010年の連覇に繋がったのは言うまでもない。

2008年にグリズリーズからレイカーズにトレードされたガソルは、新たな相棒コービーから大歓迎を受けた。敵地での遠征中にチームに合流し翌日に試合を控えていたにもかかわらず、コービーは深夜にガソルの部屋を訪問して彼の加入を喜んでいると直接伝えた。

ガソルはレイカーズ加入後も実力を発揮していたが、コート上でコービーに助けられたと『ESPN』に語った。「合流してすぐの最初の試合で、コービーはスペイン語を話し始めたんだ。誰をカバーすべきか、それにチームのプレーについて彼はスペイン語で教えてくれた。まさかそんなことをしてくれるなんて思っていなかった」

「彼のお父さんがイタリアでプレーしていたからイタリア語を話せるのは知っていたけど、奥さんのヴァネッサはスペイン語が堪能だから、それでいろいろと覚えたのだろうね。彼のスペイン語は素晴らしかったよ。試合中にはよくスペイン語でやりとりしていたから、相手の選手は僕たちが何を話しているか分かっていなかった。あれは愉快な光景だったね。そういうのもあって僕たちの関係性が生まれたんだけど、それはコービーが作り出してくれたものさ」

現役時代のコービーは練習中からチームメートを怒鳴りつけるなど、必要なら躊躇せずに罵声を浴びせてチームを引っ張った印象が強い。ガソルも『コービー流』のエールを受けたことがあるが、これまでに明かしたエピソードを聞く限り、仲間に対する思いやりに満ちたリーダーだった一面も垣間見られる。