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『ウェストブルックのチーム』という意識統一

ロケッツとのクリスマスゲームに続き、チェサピーク・エナジー・アリーナで行なわれたラプターズ戦にも124-107で勝利して6連勝。サンダーに力があるのは分かっていた。機能するまでに時間はかかったが、ようやくチームとして噛み合うようになったということだ。

ポール・ジョージが1試合での球団記録に並ぶ7本の3ポイントシュート成功を含む33得点8リバウンド、ラッセル・ウェストブルックが30得点8リバウンド13アシスト、カーメロ・アンソニーが18得点の活躍を見せ、合計81得点を決めた『ビッグ3』がチームを勝利に導いた。

12月に入った時点で8勝12敗と負け越していたが、これで20勝(15敗)に到達。順位も西カンファレンス5位にまで浮上した。

『ビッグ3』を始めとする個々の力がチームとして噛み合い始めた背景には何があったのだろうか。これについて、カーメロが興味深い話をしている。彼によれば、「ウェストブルックが本来のパフォーマンスを発揮することが重要」なんだとか。昨シーズンにNBA史上2人目の『平均トリプル・ダブル』を記録してシーズンMVPを受賞したウェストブルックだが、それは自分一人ですべてをこなす以外に勝つ手段がなかったから。それだけサポーティングキャストに恵まれていなかったということだ。

今夏はジョージとアンソニーという強力な相棒を得たが、そのためにウェストブルックはこの2人を生かすことを優先し、何か大事なものを犠牲にしていた。カーメロはそれを指摘する。

「ラスは俺やポールのために何かを犠牲にしたり我慢するのではなくて、自分のプレーをしている。そうでなくちゃいけない。彼に何ができるのか、俺たちは理解している。それを彼も分かっているから、リラックスして自分らしくプレーできている。俺たちのために遠慮していちゃダメだ。ラスはラスのままでいてもらわないといけない」

カーメロの言葉がサンダーの変化を物語っている。ジョージもカーメロも、ウェストブルックに全幅の信頼を寄せ、サポートに回っている。これまで所属チームのエースだった彼らにとって、この変化は簡単なようで難しい。それを可能にさせたのは、チームを優先する柔軟な考え方ができたからだが、「サンダーの可能性を感じられたから」という面も大きいはずだ。

序盤戦の不振による傷口はもうふさがった。あとは突っ走るだけだ。