様々な『縁』で10年ぶりに日本バスケ界への復帰が実現、常勝軍団でいぶし銀の活躍を見せるジャワッド・ウィリアムズ

2017/12/14
Bリーグ&国内
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文・写真=鈴木栄一

『オフェンスの潤滑油』として見せる存在感

シーズン序盤から順調に白星を積み重ね、難敵揃いの東地区で首位の座をしっかりキープしているアルバルク東京。日本代表の中心選手でもある田中大貴を筆頭にしたリーグ随一の選手層を誇り、どこからでも得点できるのがチームの強みとなっている。そして、このA東京の強力オフェンスにおいて、ここ一番での精度の高いアウトサイドシュートで大きなインパクトを与えているのがジャワッド・ウィリアムズだ。

12月10日、A東京は大阪エヴェッサに79-69と、11月3日、4日の島根スサノオマジック戦以来となる同一カード2連勝を達成。この試合でウィリアムズは、3ポイント5本中3本成功などシュート計9本中6本成功で15得点と高確率でシュートを沈め、勝利に大きく貢献した。

今シーズンここまでのウィリアムズは、基本的に外国籍がオン・ザ・コート「2」の時間帯における4番ポジションを務めている。そこで34歳のベテランらしい状況を的確に把握する戦術眼、シュートレンジの広さがもたらす多才なプレーで、チームに落ち着きを与えている。

「インサイド、アウトサイドの両方を使って攻める。高さのミスマッチで自分が優位だったらゴール下にアタックし、その逆の場合はアウトサイドで勝負する。自分のアドバンテージを生かすだけだよ」

こう語るウィリアムズは、チームにおける自身の役割について「ヘッドコーチは、4番ポジションにオフェンスを円滑に展開させる役割を求めている。それは自分の持ち味にフィットしていると思う」と見ている。

10年ぶりの日本で現役を続ける「折茂サン」に驚嘆

ウィリアムズは、これまでキャバリアーズに3シーズン在籍し、欧州のバスケ強国でプレーを続けてきた実績十分の選手だが、20代前半だった2007-08シーズンにはレラカムイ北海道でプレーしており、今回は10年ぶりとなる日本復帰となっている。

日本で再びプレーすることを決断した背景には、北海道での良い思い出が大きく影響したと強調する。「折茂(武彦)サン、桜井(良太)、野口(大介)は僕に本当に良くしてくれた。これは日本に戻ってきたいと思った大きな理由になっている。また、当時チームの指揮を執ったコーチクラッシャー(東野智弥・日本バスケットボール協会技術委員長)とは毎年、連絡を取っていた。彼から日本のバスケットボール界が大きく変わっているのは聞いていた。日本は今までプレーしてきた中でも最も好きな国で、リーグが盛り上がっていると知ってまたプレーしたいと思ったんだ」

ちなみに、ウィリアムズが一緒にプレーしていた当時もベテランだった折茂が現在もプレーを続け、さらにチームの社長も務めていると知った時には「もちろん、驚いたよ」と語る。「折茂サンは47歳でいまだによく走り、シュートをしっかり決めている。彼のような選手は見たことないよ。チームの社長でありながら、ハイレベルの選手であることには本当に敬服する」

ヨーロッパでのプレー経験がA東京での順応の助けに

ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチの戦術に素早く適応していることも、一つの縁が影響していた。「ヨーロッパでのプレー経験は長いし、それにルカの元チームメートだったコーチの下で3年間プレーしていた。そういうこともあって、彼が4番ポジションに何を期待しているのかは分かっているつもりだ」

現時点でも相手チームにとって脅威のウィリアムズだが、12月のクリスマスシーズンの前には奥さんと子供2人が来日するそうだ。待ち望んでいた家族と一緒に暮らせることは、彼に大きな活力を与えることは間違いない。

「妻とは北海道でプレーしていた時に婚約をしたんだ」と、ここにも日本との縁がある。

様々な縁があって、愛する日本で再びプレーする機会を得たウィリアムズ。チャンスメイカーにもフィニッシャーにもなれる彼は、A東京のオフェンスに厚みを与え、スタッツ以上の存在感を発揮している。