終盤戦のチームの浮沈を握るキーマン
Bリーグは中断期間を経て、無観客ではあるが明日からレギュラーシーズンが再開される。各チームともに残り21試合。ここからシーズン終了まで過密日程の中、激しい順位争いが繰り広げられる。
リーグ再開のこのタイミングで、昨シーズンから大きく個人スタッツを伸ばした5選手をピックアップ。どの選手も、チームの浮上にはその活躍が必要不可欠となっている。終盤戦の行方を占うキーマンを紹介したい。
()は前年度の数字
齋藤拓実
滋賀レイクスターズ ポイントガード/171cm
39試合出場 25.5分(11.6)12.8得点(3.6)3ポイントシュート42.1%(29.6)5.5アシスト(2.0)
アルバルク東京から滋賀レイクスターズにレンタル移籍した若武者がプレータイムを大幅に伸ばし大ブレイク。スピードに頼らず緩急を使ったドライブで相手を抜き去り、フローターやプルアップなどで得点を量産。ディフェンスを引き付けてのアシスト能力も高い。ピック&ロールの使い方や、状況判断の良さはA東京で培った賜物だろう。実績のあるガード陣を押しのけプレータイムを勝ち取り、サプライズチームとなりつつある滋賀を押し上げている。
松井啓十郎
京都ハンナリーズ シューティングガード/188cm
39試合出場 30.1分(8.2)12.5得点(2.8)3ポイントシュート47.1%(32.2%)
元日本代表のピュアシューターが京都で再びを輝きを取り戻した。キャリア11年の3ポイントシュート成功率が42.1%と抜群の安定感を誇るが、今シーズンはキャリア2番目に高い47.1%と圧巻の数字。出場時間と平均得点もキャリアハイとなっており、34歳のベテランが年齢を感じさせないパフォーマンスを続けている。リーグ屈指のプレーメーカーであるジュリアン・マブンガがマークを引き寄せ、松井がフィニッシュする形は京都の大きな武器だ。
今村佳太
新潟アルビレックスBB スモールフォワード/191cm
37試合出場(4)29.3分(14.8)11.1得点(5.0)3.5リバウンド(1.5)
飛躍が期待された昨シーズンは不祥事によりわずか4試合の出場にとどまった。それでも心機一転で挑む今シーズンはプレータイムを約2倍に伸ばし、それに比例するように平均得点も倍増した。得点源だったダバンテ・ガードナーがチームを離れ、新たなスタイルを模索するチームは苦戦を強いられているが、今村にとっては飛躍のシーズンとなっている。フィジカル負けしない体躯から繰り出されるドライブに加え、3ポイントシュートの精度も高く、どこからでも得点できるオールラウンダーは黒星が先行するチームを救えるか。
保岡龍斗
秋田ノーザンハピネッツ シューティングガード/188cm
35試合出場(57)20.8分(18)9.1得点(5.9)1.1スティール(0.7)
3×3日本代表でも重宝される鋭いドライブを持ち味とし、タフショットを決めきれる強さを持つ。プレータイムは3分の伸びにもかかわらず得点は3得点も上昇した。ショットクロックわずかな場面を任されることもあり、3ポイントシュート成功率は28.6%と決して高くはない。それでも平均4.8本のアテンプトはチーム最多で、それだけ信頼されていることが分かる。すでに昨シーズンの勝ち星を上回った秋田を思い切りの良いプレーと強度の高いディフェンスで支えている。
アキ・チェンバース
横浜ビー・コルセアーズ スモールフォワード/190cm
39試合出場(58)30.9分(18.3)10.5得点(5.4)5リバウンド(2.4)2.7アシスト(1.4)
千葉ジェッツから移籍した万能プレーヤーは、多くの役割を与えられ替えの利かないチームの主力となった。もともとディフェンスに定評があり、エースキラーとしての役割が主だったが、横浜ではディフェンス以外の部分も求められ、すべてのスタッツを上昇させている。キャリア7年目で初めて平均得点を2桁に乗せ、そうしたオールラウンドな活躍が評価され、代表候補にも選出された。リーグトップクラスの2ウェイプレーヤーとしての地位を高めている。
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