新戦力が台頭する栃木ブレックスで田臥勇太が目指す「競争しながらチームが勝つ」

2017/12/06
Bリーグ&国内
95

文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

スタメンの交代劇「代えられて当然」

栃木ブレックスは日曜日に行われた三遠ネオフェニックスとの第2戦を落とした。40分間の中のいろいろな要素が絡み合って勝敗が決まるが、出だしにつまずいたことは敗因の大きな一つだ。田臥勇太も「出だしで相手を勢いづかせてしまったのが大きな敗因」と試合後に語っている。

栃木はトランジションから2本続けて3ポイントシュートを許し、開始わずか1分でタイムアウトを要求した。それでも悪い流れを変えられず、しびれを切らした安齋竜三ヘッドコーチは、2-14とされたところで先発メンバーを一気に入れ替えた。

結果的にベンチメンバーの奮闘でクロスゲームに持ち込んだが、65-71で敗れている。結果論だが序盤の2本の3ポイントシュートが防げていれば、展開も変わっていたはずだ。

「チームスポーツなので、出てきてくれたメンバーが責任と自覚を持ってやってくれたというのはうれしいこと」とベンチメンバーの活躍を喜ぶ一方で、「自分たちがだらしなかった」と田臥は素直に敗因の責任を引き受けた。

立ち上がりは大事。誰もがそれを分かっているが、コート上で実行するのは簡単ではない。「何でできないかと聞かれると非常に難しい。口で言うのは本当に簡単」と田臥は苦笑いを浮かべる。「受け身にならず、さらに相手よりアグレッシブにいけるかっていうところ。それがしっかりできるチームは強いし、それができないとこうやって勝ったり負けたりの試合が続いていくと思います」と、まだ『強いチーム』になりきれていない栃木の現状を田臥は認めた。

喜多川と山崎の復調「自分の仕事をやればああいう形に」

それでも、ここに来て栃木には明るい話題も多い。ヘッドコーチ交代と時を同じくするかのように、ベンチメンバーの台頭が目立っている。喜多川修平は3試合連続2桁得点を記録するなどスコアラーとしての本領を取り戻しつつある。山崎稜は三遠との2試合で14得点、13得点とシーズンハイのパフォーマンスを披露した。

「特にこの2試合は修平だったり稜がアグレッシブにやってくれて、自分の仕事をやればああいう形になるとはっきり見せてくれた。チームのレベルアップにつながります」と田臥もようやくフィットしてきた新加入選手の働きを称える。

また先日電撃復帰を果たした渡邉裕規の存在も栃木にとっては心強い。「彼は自分の意見を言えるポジションだし性格なので。中堅ということで責任を持って、戻って来た以上はやれることをやろうという意識を持ってやっている」と渡邊のオフコートでの存在感を強調した。

「チーム内で競争が増えるのは良いこと」

そして渡邉加入がもたらすものはそれだけではない。ガード陣の競争は一段と激化する。「彼が戻ってきたことでチーム内で競争が増えるのは良いことです。自分も張り合うとかじゃないですけど、チーム内の競争をみんなでやっていくので、これはチームにもプラスだと思ってます」

「誰と張り合うとかそういうのじゃなく、チームが一つでも多く勝つように、チームがレベルアップするためにナベは戻って来てくれた。チームメートはもちろんですけど、それ以上にファンの方がものすごく喜んでくれていたのはチームとして追い風になると思います」

安齋ヘッドコーチは「安心して使える選手が増えれば増えるほどありがたい」とコメントしている。ベンチメンバーが本来の力を取り戻し、渡邊が復帰したことによって、チーム内の競争は激しさを増す。栃木はこの正のスパイラルで高みを目指す。