ロブ・ペリンカ

「コービーとジジは、私たちに光を注いでくれる」

2月24日、先月末にヘリコプターの墜落事故で他界したコービー・ブライアントと娘のジアンナの告別式がステイプルズ・センターで執り行われた。

マイケル・ジョーダン、シャキール・オニール、未亡人となったバネッサ・ブライアントらが故人を偲び、会場に集まった2万人のファンが彼らのスピーチに耳を傾けた。壇上には、レイカーズの球団運営副社長兼ゼネラルマネージャーを務めるロブ・ペリンカも立った。彼はコービーの代理人を長年務めた人物で、家族ぐるみの友人でもあった。

ペリンカは、事故当日もコービーと連絡を取り合っていたことを静かに語った。

「霧がかった1月26日、私は家族と教会にいました。その時、ジーンズのポケットに入れていた携帯電話が鳴って、すぐにメールを受信したと気づきました。日曜の教会に家族といたため、はじめは気にも留めなかったけど、緊急性を感じて画面を見ると、コービーからのメールでした。でも、それは特別なことではありません。この20年間、私たちは日常的に連絡を取り合っていたし、親友なら当然です」

「その時は内容を確認せず、牧師の説法を聞いていました。しかし、ふと気になってメールを確認すると、南カリフォルニアに拠点を置く野球関係の代理人を知っているか、という内容でした。緊急性があるとは思えず、一度は携帯をしまいましたが、やはり気になって彼に返信しました。以前、レイカーズの試合で野球関係の代理人に会ったこと、必要なら協力する、という内容でね」

「それが朝9:30過ぎのこと。コービーから返信があり、友人の娘さんが野球関連のエージェンシーでインターンシップをしたがっている、という内容でした。彼は、その娘さんを高く評価していて、私も力になることを伝えました。その数分後、彼とジアンナ、その他7名の乗客が帰らぬ人となりました。彼はヘリコプターから私にメールを送っていたのです。コービーがメールで私に伝えた娘さんとは、事故で亡くなったジョン・アルトベリ氏の娘さんでした」

2017年からレイカーズのフロントに加わったペリンカは、その前の年に現役を引退したコービーから「2人の人生が入れ替わったみたいだ」と言われていたという。周囲への配慮を忘れない性格だったコービーは、球団業務で多忙を極めるペリンカと彼の家族を常に気にかけていた。

長年の友人が急死し、心に大きな穴が空いたペリンカは事故の翌日、コービーから贈られた著書を手に取った。そこには、こう書かれてあった。

「我が兄弟、ロブへ。苦しい時こそ、いつも目の前の困難を楽しんでもらいたい」

ペリンカはコービーからのメッセージを引用し、聴衆に語りかけた。

「このメッセージをコービーが私に送ってくれたのは、数カ月前のこと。これは、私たち全員へのメッセージだったのかもしれません」

「コービー、我が兄弟よ。この道はあまりにも困難だ。君なしで乗り越える術を知らない。それでも君なら、私たちが前進し続けることを望むだろうね。君との思い出が、私たちにとって前に進む力になる。君が綴ったように、想像を絶する悲しみに直面しても、この道のりを楽しむ方法を見いだしたい」

そしてペリンカは、スピーチを次の一節で締めくくった。

「最後に言いたいことがあります。太陽が月を照らし、夜でも私たちを導いてくれているように、コービーとジジは、私たちに光を注いでくれるでしょう。ただ、太陽の光とは異なり、彼らの光は永遠のものです。数週間前、あの恐ろしい朝により、世界の軸は変わってしまいました。しかし、コービーとジジの光により、私たちは暗闇を生きることなく、これからも歩んで行くのです」