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第3クォーターに怒涛の反撃、最後はカイリーが決める

セルティックスは13連勝、ウォリアーズも7連勝。東西のカンファレンスをそれぞれ引っ張る絶好調のチーム同士の対戦は、終盤の勝負どころで強さを発揮したセルティックスが競り勝った。

立ち上がりはウォリアーズのペース。ケビン・デュラントがオフェンスを引っ張るとともに、アウトサイドを意識させてセンターのザザ・パチューリアをうまく使って流れを呼び込む。第1クォーターで28-18と10点のリードを奪うと、そのまま試合を優勢に進めた。

しかし、この日はステフィン・カリーのシュートタッチが不調。フィールドゴールは14本中3本成功の21%と落ち込み、さらにはファウルトラブルでベンチに座る時間が長くなった。

セルティックスの反撃が始まったのは第3クォーター途中から。残り5分の時点でデュラントのプルアップジャンパーで49-66と16点差にされるが、ここから実に19-0のビッグランで一気に逆転する。ここで主役を演じたのはジェイレン・ブラウン。変則的なドリブルでショーン・リビングストンを翻弄してプルアップジャンパーを決めると、速攻から3ポイントシュートを決める。たまらずウォリアーズが取ったタイムアウト明け、カリーがボールハンドリングのミスでターンオーバーを犯す。攻めに転じたブラウンが再び3ポイントシュートと、カイリーをベンチに下げて休ませている時間帯の3連続得点でチームを勢いに乗せた。

68-68で始まった最終クォーター、カイリーとアル・ホーフォードを休ませる難しい時間を乗り切ったセルティックスが再び勢いに乗り、終盤は点差の離れない息詰まる展開に。残り5分を切り、デュラントとカリーの連続得点で77-81と突き放されかかるが、ここでカイリーがクレイ・トンプソンのマークを振り切るカットから得点。次のポゼッションではファウルを誘い、守備巧者トンプソンの調子を狂わせた。

それでも残り1分20秒、スティールから速攻に転じたカリーがディフェンスの注意を引き付け左ウイングでフリーのトンプソンにボールを回す。不調とは言え『スプラッシュ・ブラザーズ』、勝負どころでトンプソンの3ポイントシュートが決まり88-86と逆転。ウォリアーズにとって勝利を大きく引き寄せる一発のはずだった。

しかし、再開後すぐにカイリーがトンプソンの1on1でファウルをもぎ取り、フリースローを2本決めて同点に。ここから両チームが気迫に満ちたディフェンスで得点を許さない。残り20秒、最後のタイムアウトで攻撃をセットしたセルティックス。ボールを託すのはもちろんカイリー。ドレイモンド・グリーンとのスピードのミスマッチを突いて一瞬の動きで振り切りリングにアタック。進路を阻むアンドレ・イグダーラとデュラントをダブルクラッチでかわしたところを、戻ったグリーンが引っ掛けてファウルのコール。

カイリーはこのフリースローを落ち着いて2本決め、90-88と突き放す。残り14秒、ウォリアーズの反撃はデュラントのジャンプシュートがリングに嫌われて万事休す。セルティックスが92-88で勝利した。

グリーンは終盤のカイリーのプレーについて「フリースローにやられたよ。普通の得点なんてほとんどやらせなかったのに、フリースローにやられたんだ」と吐き捨てた。ただ、カイリーのアタックは試合の最後に起きた出来事にすぎない。試合を通じてタフなディフェンスを続けて、ウォリアーズを今シーズン最少の88点に抑えたこと。第3クォーターのビッグランと第4クォーターの序盤、セカンドユニットが頑張りカイリーを十分に休ませられたことで、最後にあのドライブのキレがあったとも言える。指揮官のブラッド・スティーブンズは「マーカスがデュラントを相手によく守ってくれた」と、31分の出場ながら1得点とスタッツでは冴えないマーカス・スマートの働きをわざわざ称賛している。

いずれにしても勝って連勝を伸ばしたのはセルティックスだった。彼らは今、『西高東低』を打ち破る存在となっている。