ダンスパフォーマンスを提案し『もぐもぐタイム』を演出
1月19日、アリーナ立川立飛で『Wリーグオールスター2019-20in TOKYO』が開催された。メインのオールスターゲーム以外にも様々な催し物が用意され、球宴と呼ぶに相応しいイベントとなった。それでも、Wリーグオールスター最大の魅力はファンに楽しんでもらい』という選手たちの気持ちが、会場に溢れていることだ。
「自分たちが楽しみながら、お客さんも楽しんでもらえたらいいなと臨みました」と語ったのはデンソーの髙田真希だ。
試合では渡嘉敷来夢のタッチダウンパスを引き出し、21得点を挙げる活躍を見せてMIPを受賞した。だが、試合の活躍だけでなく、ファンを喜ばせようとする行動も含めて文句なしの受賞と言える。
髙田は試合前に披露した『Rat-tat-tat』ダンスパフォーマンスを提案し、『もぐもぐタイム』を演出。また、渡嘉敷とともに町田瑠唯を持ち上げ、ラグビーのラインアウトを再現するなど、オールスターのために様々な計画を練った。
「楽しんでもらえたらいいなと思って、ベンチパフォーマンスに懸けていた部分がありました。去年はできそうな流行りものが浮かばなくてちょっと大変だったんですけど、1カ月2カ月前から頭の中で構想を考えて、買い出しをしながらやっていました。出し切れていないので、もしまた選ばれたらやりたいと思います」
「もっと頑張ろうという気にもなった」
髙田の活躍はオンコートに留まらなかった。試合前の空き時間には会場の外に出て、自ら売り子役となった。「試合まではフリーでしたし、やりたいと思っていたので。ファンの方とより近く接することができる時ですし、普段はなかなかできないので、自分から率先して行きました」
こうした行動からもファンを喜ばせようとする気持ちが伝わるが、髙田自身がこうしたコミュニケーションを義務からではなく楽しんでやっているのが素晴らしいところだ。
「自分のグッズもたくさんあって、買ってもらってうれしかったですし、サインをもらいに来てくれる人もたくさんいました。そういうのを近くで感じると自分も応援されているんだって感じましたし、もっと頑張ろうという気にもなったので、すごく新鮮で良かったです」
前日にはBリーグのオールスターが開催され、「男子は華やかなダンクとか分かりやすく盛り上げられるので、それはそれで魅力的」と、髙田も楽しんだ様子。それでも、「自分たちはそういうことがなかなかできないので、パフォーマンスに力を入れています。自分はどっちかというとやりたい方なので、自分が楽しくてやっているだけです」と、男子とは違うやり方で観客を楽しませようと努力している。
こうした姿勢を今後も貫いていくという髙田は、以下の言葉でオールスターゲームを締めた。
「普段なかなか一緒にやることがない選手と同じチームでできるので、すごく楽しいです。自分たちも楽しみながら、見てくださる方々も楽しんでいただけるようなものを毎年オールスターで作りたい。本当に自分たちも楽しめましたし、見ている人たちも楽しんでもらえたらうれしいなと毎年思っています」
相手を楽しませるには、まず自身が楽しむことが必要とよく言われる。髙田はまさにその言葉を体現してファンを喜ばせた。真剣勝負では大黒柱としてチームを牽引する髙田は、サービス精神溢れるエンターテイナーでもあるのだ。
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