ルカ・ドンチッチ

リーグで4番目に多くのファウルを受ける選手に

マーベリックスのルカ・ドンチッチとヘッドコーチのリック・カーライルは審判の判定に対して何度も苛立ちをあらわにしてきた。フラストレーションの原因は、対戦相手がドンチッチに対して激しいディフェンスを仕掛けてきているにもかかわらず、ファウルを吹かれる回数が少ないと感じているからだ。

ドンチッチ加入後、マーベリックスが受けるファウルの数は増加した。加入前の2017-18シーズンは1試合平均19.6回だったが、加入後の2018-19シーズンは23.2回と4近く増加。今シーズンは現時点で21.5回で、ロケッツと並びリーグ7位となっている。

では、どの選手が多くのファウルを受けているのだろうか。もちろんドンチッチで、彼は1試合で平均7.3回ファウルを受けており、バックスのヤニス・アデトクンボ、ロケッツのジェームズ・ハーデン、ホークスのトレイ・ヤングに次いでリーグ4位だ。

ドンチッチに対するファウルが多いのは、彼のオフェンス能力が突出しているからに他ならない。ここまで35試合に出場し、1試合平均29.1得点9.7リバウンド9アシストというスタッツを見れば、彼を止める効果的な方法がないことは明らかだろう。ダブルチームに行っても視野が広いためオープンな選手にパスを出され、かといって一人で止めるにはファウル覚悟で激しくディフェンスせざるを得ない。

ドンチッチ攻略法として最近対戦チームの多くが採用しているのが身体をぶつける激しいディフェンスだ。ファウルギリギリのプレーで守り、あとは笛を吹かれないことを祈るという原始的な方法以外、現時点では選択肢はない。

カーライルは1月4日のホーネッツ戦を前に「ドンチッチは相手選手に狙われ、傷つけられている」と発言。これがジャッジに影響を及ぼしたかどうかは定かではないが、この日からの5試合で対戦相手がファウルを吹かれる回数が実際に増えた。指揮官は優遇を求めているわけではない。「両チームにとって公平な判定を望む」と、フェアな判定を求めた。

ドンチッチ自身もフラストレーションをあらわにする場面が多かったが、12月初旬の3試合で審判に抗議しテクニカルファウルを2回受けたのをきっかけに審判への対応を見直したという。

スター選手が厳しいディフェンスを受けるのは当然だが、必要以上に激しくなると選手のケガにも繋がる。スターがケガで不在となれば、チームだけでなくリーグにとっても大きな損失であり、そのような事態は誰にとってもメリットはない。