文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

敵チームがこぞって名前を挙げるほどのインパクト

10月28日に行われた新潟アルビレックスBBと川崎ブレイブサンダースとの第2戦、新潟はダバンテ・ガードナーを起点にチーム一丸となって戦い、Bリーグ2年目にして初の川崎越えを果たした。この試合で誰よりも強いインパクトを残したのは佐藤優樹だ。9得点5リバウンドのスタッツは突出したものではない。それでも最終クォーターで獲得した3つのオフェンスリバウンドは、いずれもチームの勝利を引き寄せるビッグプレーだった。

「オフェンスリバウンドもそうですし、佐藤選手がポイントポイントで良い働きをしてました」と川崎の指揮官である北卓也も認めている。

佐藤の働きを敗因に挙げたのは北コーチだけではない。「良いディフェンスをしてタフショットを打たせたんですけど、佐藤選手に何度もこぼれ球を拾われてしまったりとか、そういうのが結果的には足りなかった2点に結びついてしまった」と話したのはキャプテンの篠山竜青。「追い上げるときにああいうリバウンドをとられると苦しい展開になるので、佐藤さんにリバウンドを取られたことが痛かった」と辻直人。

ヘッドコーチ、主将、エースがこぞって名前を挙げるインパクトを残したのが佐藤だった。

「自分がもっと頑張ればちょっとでも休ませられる」

佐藤は第1戦での不甲斐ない戦いからの脱却を意識していた。「昨日はディフェンスもオフェンスもエナジーがなくて、その中でどれだけチームに貢献できるかという強い意気込みで試合に出たので、それが結果に出たので良かったです」

ここまで出場機会があまりなかった佐藤だが、川崎との2試合では28分、25分とプレータイムを伸ばした。「コートに立てるのはうれしいですけど」と前置きし、チームへ貢献できないことへの自責の念があったと明かした。「今まで城宝(匡史)さんがケガで離脱してて、その中でみんなのプレータイムをシェアできずチームのプラスになれなかったので、そういう面で申し訳ないなって。自分がもっと頑張ればちょっとでもみんなを休ませられるというのが頭にずっとありました」

「今回(畠山)俊樹が離脱した中で自分がどれだけできるかというのがポイントだと思います。その中でこうやって使ってもらえたことは自分の自信にもつながりました」と、畠山の不在でつかんだチャンスで結果を残し、勝利の立役者となった。

「トレーニングはやるかやらないか自己責任」

オフェンスリバウンドもそうだが、佐藤はフィジカルの強さを武器に粘り強いディフェンスを見せた。「やられた部分もありましたが、一つひとつフィジカルに守れたというのも自分の強みだと思います。今回だけじゃなく、次の試合でも続けていけなきゃ意味がないので準備してやっていきたいと思います」

フィジカルを強みにする佐藤だが、特に腕の太さが際立っている。筆者の見立てではBリーグでも3本の指に入るのではと思うところだ。腕について尋ねると、「腕ですか? 小さいころからしっかりごはん食べてトレーニングしてきた結果だと思います。自分では(太いと)思わないですけど」と驚きの答えが返ってきた。

「トレーニングはチームウェイトしかやってないです。トレーニングはやるかやらないか自己責任なので必要ならやるし、必要ないならやらないし」と特別に鍛えているわけではないようだ。「そうであれば必要ないのでは?」と尋ねると、「もう多分必要ないと思います(笑)」とそこは認めてくれた。

1週間で5試合というハードなスケジュールの中で価値ある勝利を手にした新潟。束の間の休息が訪れるが、佐藤はオフの期間もバスケから離れないタイプと語る。「オフもバスケのことを考えないで過ごすのではなく、しっかりバスケットボールのことを考えながら、チームにプラスになれるように個人的に考えてやっていきたいと思います」

真摯な受け答えだと思って感心していたら、「堅いですか?」と佐藤。取材では真面目なコメントを意識したが、やりすぎたと思ったようだ。取材されることに対し「今日だけなんで」と笑う佐藤だが、彼のようなベンチメンバーの活躍はリーグで勝ち星を積み重ねるために必要不可欠だ。川崎戦のようなインパクトの強いパフォーマンスをまた発揮し、今度は『緩い部分』も披露してほしい。