文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

粘り強く戦うも終始ビハインドを背負っての敗戦

Bリーグ第4節、栃木ブレックスはホームにアルバルク東京を迎えた。栃木は終始主導権を握られるも、粘り強く戦い終盤までクロスゲームを続けたが及ばず、71-76で敗れた。

立ち上がり、第1クォーターが外国籍選手オン・ザ・コート「2」の栃木はセドリック・ボーズマンを起点にオフェンスを展開するが、オン「1」だが中を絞るA東京の包囲網を突破できない。逆にアレックス・カークにインサイドを攻められ7得点を許し、オン・ザ・コート数の優位を生かせず14-21とビハインドを背負った。

それでも第2クォーターに入ると喜多川修平、生原秀将が苦しい場面で3ポイントシュートを沈め、24-24と同点に追い付く。それでもファウルがかさみ、4分強を残してチームファウルが4に到達。さらに遠藤祐亮が個人3つ目のファウルを犯しベンチに退いた。ファウルトラブルに陥った栃木は強くディフェンスで当たれず、再びインサイドを攻められて30-40と2桁のビハインドを背負って前半を終えた。

後半に入っても栃木は我慢の時間が続くが、田臥勇太が要所でシュートを沈め食らいつく。また生原がアグレッシブなディフェンスでオフェンスファウル、24秒バイオレーションを誘発し、52-56と4点差まで詰めて最終クォーターを迎えた。

ただ、ここでも主導権はA東京が握ったまま。ジャワッド・ウィリアムズとアレックス・カークが竹内公輔とライアン・ロシターに対してインサイドでの優位を保ち続けたのが大きかった。これで栃木は追い上げては突き放される展開に。栃木は残り19秒で4点差まで迫ったものの、最後のポゼッションを託したボーズマンが痛恨のターンオーバーを犯して勝負あり。5点差を追いかける最後の場面でも遠藤がボールを失い、71-76で敗れた。

長谷川ヘッドコーチ「決して悪い試合ではなかった」

アルバルク東京を率いるルカ・パヴィチェヴィッチは「第1クォーターから4クォーターまで主導権を握り、リードを保った結果、勝利することができました」と語る。実際、A東京はリードしてから一度も逆転されることなく逃げ切ったが、見方を変えれば栃木を突き放すことができず終盤まで競った展開に持ち込まれたとも言える。

その点は栃木の長谷川健志ヘッドコーチも「今日の試合は決して悪い試合ではなかった」と手応えを得た様子。「今のアルバルクに対して、前半で背負った10点のビハインドを一気に追いついて逆転するというのはなかなか難しい。その中で粘り強く戦いました」

栃木の収穫としてはチームオフェンスの改善だろう。ボールがサイドで止まったりせず、イージーシュートをデザインするなど、前節よりは確実に向上している。田臥はフィールドゴール成功率100%で13得点、今シーズン初の2桁得点を記録した。同じく初の2桁得点を記録した喜多川は「今日はゴールにアグレッシブにアタックすることを意識してゲームに入れたのが良かった。勝負どころでいかに精度高くやるというのが課題だと思います。今日できて明日できなければ意味ないので明日もやっていきたいと」と語る。

A東京のインサイド陣が奮起、粘る栃木を振り切る

敗れた以上、課題もあった。前述のとおりインサイドで相手に主導権を握られたのは痛い。もっとも、これはA東京の外国籍選手3人が頑張った結果。カークは16得点10リバウンド、ジャワッドは11得点3アシスト、ランデン・ルーカスは8得点2ブロックショット。さらには竹内譲次も11得点5アシストと気を吐いた。4人がプレータイムをシェアしながら全員が持ち味を発揮、ターンオーバーわずか1と安定してインサイドを支えたことは大きい。

ロシターもボーズマンも及第点の働きは見せたが、2人で24点は物足りない数字。さらには『第3の男』アンドリュー・ネイミックは故障明けで、6分弱のプレータイムで4得点と貢献できていない。この差が試合展開にも結果にも表れた。

それでも昨シーズンの代名詞だった粘り強さは戻りつつあり、復調の兆しは見えている。長谷川ヘッドコーチや選手は第2戦が大事と口を揃える。指揮官は言う。「大事なのは明日。先週の千葉戦も不甲斐ないゲームだったので、それを繰り返していくとチームの成長はない。明日はもっとアグレッシブにいきたい」。長谷川コーチはこう締めて、明日の必勝を誓った。

昨シーズンを含めて初の3連敗となった栃木。明日の試合はチームの成長と修正力が問われる。