開催国相手に苦戦するも、終盤に好守が噛み合い逆転勝利
男子日本代表は、五輪世界最終予選(OQT)に向けたチーム作りの一環として、蘇州(中国)で開催される『Atlas Challenge』に参加。開催国の中国、日本が入るグループAには、他にベラルーシとニュージーランドが入った。一方のグループBはアメリカ、リトアニア、イラン、マケドニアという顔ぶれ。
14日、日本代表はグループリーグ初戦の中国戦を戦った。スターターは田臥勇太、古川孝敏、渡邊雄太、竹内譲次、太田敦也の5人。中国代表は昨年のFIBAアジア選手権で優勝し、リオ五輪出場権をすでに確保している。今大会に参加するのは若手主体のBチームだが、それでも高さとスピードを兼ね備えており、ホームの観客の後押しもあって、時間経過とともに日本を押し始める。
ポイントガードの田臥がオフェンスを組み立てる日本だが、先週ようやく始動したチームだけに連携不足は否めない。中国の3ポイントシュートが当たり始めると日本は一気に突き放され、2桁のビハインドを背負う。前半を26-37で折り返し、後半に入ってもなかなかリズムがつかめなかった。
流れを変えたのはファイ・パプ月瑠。ゴール下の密集地帯で奮起し、攻守で起点となる彼を比江島慎が巧みに使う。さらには竹内譲次、渡邊も積極性を取り戻したことで中国のファウルを誘い、日本がようやく自分たちのペースで試合を進められるようになる。
中国は球際での強さを失わず、タフショットも決めてリードを守り続けるが、日本はフリースローで詰め寄り、残り3分を切ってから田中大貴の3ポイントシュート、続いて古川がミドルレンジからのジャンプシュートを決めて67-67の同点に追い付く。
ここからは両チームともタイムアウトを取りながらセットオフェンスの応酬に。残り45秒、古川が左45度から3ポイントシュートを沈めて70-69とついに逆転する。一度は追い付かれるも、すぐに古川のフリースローで71-70と再びリードを奪う。残り14.5秒、中国に形を作らせず、最後は比江島がブロックショットで相手オフェンスを断ち切った。
結果よりも内容、特にその過程が重要な大会ではあるが、勝つに越したことはない。今日はニュージーランド、そして明日はベラルーシ。中一日を挟んで準決勝、決勝(あるいは順位決定戦)と連戦が続く。過密日程の中で実戦経験を積み、チームとしての成熟度を高めつつ、この大会後には現在の16名から、OQTに向けた最終メンバーとなる12名への絞り込みが行われる。