後半の連続得点で一気に突き放す
12月22日、琉球ゴールデンキングスが、本拠地で京都ハンナリーズと対戦。前日に引き続き後半にオフェンス爆発で97-76と同一カード連勝を達成した。これで5連勝の琉球は15勝7敗、一方12連敗の京都は8勝15敗となった。
第1クォーター、琉球は3ポイントシュート7本中4本成功、並里成もミドルシュートを高確率で沈めるなど、アウトサイドが好調で22-15と先手を取る。しかし、第2クォーターに入ると、京都はデビッド・サイモン、ジュリアン・マブンガの2大エースの得点に加え、松井啓十郎が3ポイントシュートを決めて主導権を握る。この結果、琉球の1点リードと互角の展開で前半を終える。
しかし、第3クォーターに入ると琉球が得意の走るバスケットボールを展開。45-45の同点から本日、3ポイントシュート6本中5本成功と大当たりだった石崎巧の長距離砲、速攻からジャック・クーリーのバスケット・カウントなど怒涛の連続得点で一気に引き離す。このクォーターで32-17と大きくリードを広げた琉球は、第4クォーターも常に大量リードを維持して楽々と逃げ切った。
琉球の藤田弘輝ヘッドコーチは、「予想はしていましたが、昨日同様に前半は苦しい展開でした。後半はマンツーマンでしっかり守って、僕たちの流れにできました」と勝因を語る。
今節、琉球はゾーンディフェンスも積極的に使ったが、指揮官はその理由をこう明かす。「単純にマブンガ、サイモンをマンツーマンで40分間守れないからです。ファウルが一人8個くらいあればいいですが、5個では守れないのでゾーンを入れました」
しかし、「ゾーンではどうしても強度を維持できない。僕らのバスケットは、ボールプレッシャーからオフェンスにつなげていくもの。ゾーンよりマンツーマンのほうが自分たちのリズムになります」と、琉球の目指す展開とするにはマンツーマンの方が適していると語る。
「キングスは沖縄のシンボルでいないといけない」
このように、琉球にとっていかにマンツーマンの時間を継続できるかが鍵となる中、この試合で大きな働きを見せたのは満原優樹だった。「後半、ハードなマンツーマンから流れを作れました。満原がマブンガについている時間帯がよかったのがすごく助かりました。それでマンツーマンを維持できました」
この2試合、琉球は満原に加え中心選手の一人である故障欠場した田代直希の穴もベンチメンバーが奮闘して埋め、「昨日も今日も寒竹(隼人)選手、福田(真生)選手、長谷川(智伸)選手とウイング陣の控え選手たちがいい働きをしてくれました」と指揮官も称えている。
2試合続けて10分以上出場、ここぞの場面で3ポイントシュートを沈めた寒竹は、「チームメートが信頼して、しっかりパスを回してくれる。ここで一本という場面で決める自信は持っています」と語る。
そして指揮官の途中交代に直面したこの1週間を「いろいろなこともあってびっくりしました。すぐには、なかなか状況が飲み込めない感じでした」と振り返るが、同時に次のような熱い思いを持って臨んだと続ける。
「でも僕たちがキングスにいる意味は、何かが変わったからといってブレてはいけないものです。キングスは沖縄のシンボルでいないといけない。僕たちのプレーでたくさんの人たちに元気、勇気を与えるのが大前提です」
「こういう時だからこそ、みんなで結束する。遠い先の目標ではなく、目の前の試合を見にきてくれている人たちを不安にさせないように元気にプレーして試合に勝つことが一番です。そこがこの節では出せました」
「実力差が少しずつ出てしまいました」
一方、苦しい戦いが続く京都の浜口炎ヘッドコーチは、2試合続けて前半は互角も後半に離された点をこう振り返る。「バスケットボールは前半に競っていても後半に差がでるのはよくあるパターンです。前半できていたことが後半にできなくなったというより、実力差が少しずつ出てしまいました。ただ、ディフェンスで相手を追いかけすぎて、その結果ワイドオープンを作られた面は気になりました」
藤田ヘッドコーチの下で連勝を継続している琉球だが、まだまだ新体制への移行期であることは否めない。同地区ライバルの大阪エヴェッサが好調なだけに、これからも緊迫した状況で戦いは続いていく。それは連敗を一刻も早く止めたい京都も同じだ。
12月22日のB1 8試合の結果
富山78-57秋田
大阪98-94SR渋谷
滋賀72-67新潟
三河81-66北海道
琉球97-76京都
宇都宮86-61三遠
千葉111-74横浜
名古屋D78-97川崎
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