屈辱の逆転負けにも栃木ブレックスの田臥勇太は「下を向く必要はないと思うし、これを良いレッスンに」

2017/10/15
Bリーグ&国内
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文=丸山素行 写真=B.LEAGUE

まさかの大逆転負けも「勉強になった試合だった」

昨日行われた栃木ブレックスvs千葉ジェッツの第1戦。14点のリードを守り切れずに最後の5分半で0-20と失速した栃木にとっては屈辱の逆転負けとなった。

長谷川健志ヘッドコーチは終盤のオフェンスの停滞について「シュートチャンスに打ちきれなかった」と積極性を欠いたと指摘。キャプテンの田臥勇太も同じ思いを感じていた。「アタックしようというのはあったんですけど、ちょっとセット(オフェンス)になりすぎて、そのセットが向こうに対応されて攻めあぐんだ」

結果的に14点の大量リードが失速を招いた。田臥はその時の精神状況をこう説明する。「残り5分を切って10点リードしてというところで、どうしても守りに入ってしまった。後手後手に回ってターンオーバーなどリズムが作れず、相手に決められ悪い循環になってしまった」

バスケットボールの10点差はセーフティリードとは言えない。ましてや強いチームであればあるほど、一つのプレーで流れを変え、形勢を逆転する力を持っている。「リードをしている時に『リードをキープする』メンタルじゃなくて、『リードをさらに広げる』メンタルで最後まで戦わないと最後に逆転されてしまう」

「特に千葉さんみたいな強いチームには勝ち切るのは本当に大変だと思います。勝ち切ることができなかったので非常に悔しい負けになってしまったんですけど、それでも勉強になった試合だったと感じています」

悔しい負けを受け止め、チームの成長の糧へと変えて

田臥と並ぶ『リーグの顔』へと成長した富樫勇樹との対決は否が応でも注目が集まる。それでも富樫とのマッチアップについて問われた田臥は、個ではなくチームを強調した。「僕がマークについた時もそうだし、他の選手がついた時もそうですけど、一人で抑えるっていうのじゃなくてチーム全員でどう抑えていくかってところがポイントになってきます」

チームとして戦うことが、昨シーズン王者となった栃木の最大の強み。昨シーズンとはメンバーがガラリと変わり、チームケミストリーの完成にはまだ時間がかかるが、アーリーカップで大敗を喫した相手に終盤までリードを奪ったことはチームの向上の表れと取れなくもない。負け試合から収穫を見いだすのも、長いシーズンを戦い抜く上では大事な作業だ。

田臥もその点では手応えを感じている。「満足はもちろんできないですけど、ああいう展開でリードしてあそこまでは持って行けてるので。本当に下を向く必要はないと思うし、これを良いレッスンとして、しっかり前向いてチームとして強くなっていこうとみんなで話しました」

千葉は前節の京都ハンナリーズ戦で第4クォーターに6-26と失速し、栃木と同じような負け方をしていた。その経験がラスト5分の『落ち着き』をもたらしていたと田臥は推測する。「千葉さんはポイントを絞って固く守ってきたと思うし、慌てていなかったっていうのが印象でありました。最後の締めでディフェンスを『ガッ』と修正してきて、それは先週の経験からだと思う」

昨年の千葉とのチャンピオンシップ第2戦の逆襲や、同じくチャンピオンシップ準決勝のシーホース三河戦での逆転劇など、栃木は逆境に強く、今回のように試合をひっくり返されることはあまり見られなかった。今回の経験はそういった意味でも価値のある試合になった。「勉強になった」と田臥が話すように、栃木にとってはこれもまた新たな学びであり、先へと進む一歩だ。