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昨シーズンを全休したシモンズ、デビューへの期待

2017年ドラフトは優れたガードプレーヤーが揃う『大豊作のドラフト』と呼ばれた。彼らはそれぞれ評価を高め、1週間後に迫った開幕を迎えようとしている。

全体2位指名でレイカーズに入団したロンゾ・ボールは、7月のサマーリーグで平均16.3得点、9.3アシスト、7.7リバウンド、2.5スティールとオールラウンドな能力を発揮し、大会MVPを受賞した。球団社長のマジック・ジョンソンは、パスでチームメートを動かす配慮のしすぎを注意することがあっても、その才能には何の疑いも持っていない。足首を痛めて現在はプレシーズンゲームを欠場しているが、開幕には間に合うようで、1年目から『レイカーズの顔』としての働きに期待がかかる。

セルティックスから3位指名を受けたジェイソン・テイタムも順調に開幕への準備を進めている。プレシーズンゲームではカイリー・アービング、ゴードン・ヘイワードとも良い連携を見せ、即戦力として通用しそうだ。4位指名でサンズに加入したジョッシュ・ジャクソンもプレシーズンゲームで評価を高めている。3試合連続で2桁得点、チームとの連携が出来上がっていない状況でもしっかりスタッツを残しており、開幕に向け『微修正』を残すのみの段階。

1巡目9位指名でマーベリックスに加入したデニス・スミスJrは、サマーリーグでド迫力のダンクを連発して『次世代のウェストブルック』と呼ばれた。ここまでプレシーズンゲーム4試合に出場。試合を重ねるごとに存在感を増し、9日のマジック戦では16得点7アシストで勝利の立役者となり、早くもマブスに欠かせない戦力となっている。

全体1位指名を受けたマーケル・フルツはどうだろうか? 1位指名権を持っていたセルティックスに加入して、アイザイア・トーマスとプレーすることを願っていたフルツだが、1位指名権はシクサーズに移り、トーマスはトレードされ、NBAの『先が読めない』現実を目の当たりにした。9日に行われたセルティックス戦では12得点と活躍。実質的に自身に代わりセルティックスに指名されたジェイソン・テイタムを上回るインパクトを見せている。

ただ、シクサーズではフルツ以上に目立つ存在がいる。昨年のドラフト全体1位指名選手のベン・シモンズだ。昨シーズンはケガで全休したシモンズだが、準備に費やす時間が長かった分だけ状態は良い。プレシーズンゲームではバランスの取れた質の高いプレーを見せており、飛躍の予感が漂うシクサーズの象徴として大いに期待される。

1年間の忍耐を強いられただけに、シモンズのプレーに対する欲求ははちきれんばかりに膨れ上がっている。『Bleacher Report』の取材に対して彼は「今はただただプレーしたいんだ。みんなに僕の名前を知ってもらいたい。みんなが僕のことを話題にしている中でプレーしたいんだ」と意気込みを語っている。

NBAは極めて厳しい競争の世界で、ドラフト上位指名を受けたからといって活躍できる保証は全くない。それでも『大豊作』のタレントたちは、ここまで順調にチームに馴染み、開幕に向けた準備を整えている。『NBAの新たな顔』となるべき若きスター選手が揃ったシーズンの開幕が待ちどおしい。