チーム再建にトライしてみたい幹部候補には魅力的?
ウォリアーズとの最下位対決をオーバータイムの末に制したものの、ニックスに明るい未来が見えない事実には何の変わりもない。連敗は10で止めたが、ここまで5勝20敗。シーズン序盤戦が終わったばかりなのに、プレーオフ圏内ははるか視界の先にある。
ニックスのチーム状況は深刻だ。近年で唯一の望みだったクリスタプス・ポルジンギスを関係悪化の末にトレードでマーベリックスに放出。大物フリーエージェントを迎え入れる準備のつもりだったが、ケビン・デュラントもカイリー・アービングもニックスでプレーしようとはしなかった。ベテラン選手数人とセンターのジュリアス・ランドルをチームに加えて若手選手の育成を図ったが、勝てるチームにはなっていない。一方で、ニックスから解き放たれたポルジンギスはノビノビとプレーし、マブスを今シーズンのサプライズチームへと押し上げている。
デイビッド・フィズデイルを解任した後、アシスタントだったマイク・ミラーが暫定ヘッドコーチを務めている。正式な後任候補にはスパーズのアシスタントコーチのベッキー・ハモン、レイカーズのアシスタントコーチのジェイソン・キッド、元ウォリアーズヘッドコーチ、マーク・ジャクソンといった名前が挙がっている。
ヘッドコーチを解任してもチームが上向かないのであれば、また違う誰かが解雇されることになる。スティーブ・ミルズ球団社長、スコット・ペリーGMも、このままでは今シーズン限りだろうと『SportsNet New York』が報じている。
ミルズの後釜としては、ラプターズ球団社長のマサイ・ウジリとサンダーのサム・プレスティGMの名前が挙がっている。ウジリは昨年ラプターズに球団初のNBA優勝をもたらし、その手腕をニックスのオーナーは注目している。サム・プレスティも、一部の球団幹部がサンダーでの実績を高く評価していると伝えられている。
悪いニュースばかりのニックスだが、ここ数年のドラフトでは、RJ・バレット、ミッチェル・ロビンソンやアロンゾ・トゥリアーと将来が期待される選手を獲得している。サラリーキャップにも余裕があるため、チーム再建にトライしてみたい幹部候補にとってはニックスは逆に魅力的かもしれない。いずれにせよ、チームの成績がこのまま停滞するのであれば、フロントにもテコ入れがあると見るのは当然の話だ。