アイラ・ブラウン

マブンガに31得点を許すも速攻からの得点を許さず

京都ハンナリーズと大阪エヴェッサの京阪ダービー。前日の第1戦では第1クォーターで12点のリードを奪った大阪が、そのまま優位を保って快勝した。今日の第2戦も大阪が安定した試合運びで京都の爆発力を封じ込め、10点前後のリードを長く保つ手堅い試合運びで勝利を収めている。

京都はジュリアン・マブンガとデイヴィッド・サイモンにボールを集めるスタイルから、チームでチャンスを作るバスケットにシフト。2人がスクリーンで味方をフリーにしてパスが回るものの、松井啓十郎が今野翔太のフェイスガードでオフェンスに絡めず、他の選手がアウトサイドのチャンスを決められず得点が伸びない。

一方の大阪は前日に今シーズン初の先発を任されて前日の勝利に貢献した畠山俊樹が、早々に個人ファウル2つでベンチに下がることに。代わって入った伊藤達哉は右手の指に仰々しいテーピングを巻き、右利きだが左手でボールを扱う状況で、思うようにチャンスが作れない。

ここで大阪を救ったのはベンチスタートの橋本拓哉だった。伊藤に代わってボール運びをサポートするとともにシュートも確率良く決め、アイラ・ブラウンのコンスタントな得点も重なって序盤は大阪がリードを奪う。

第2クォーター途中から京都はマブンガが強引なアタックを始めて得点を伸ばすも、大阪のチームバスケットが上回る。チームで作ったチャンスを藤髙宗一郎が、畠山俊樹がきっちり得点に繋いでリードを守り、38-29で前半を終えた。

橋本拓哉

殊勲の橋本拓哉、慣れない司令塔に加え21得点

後半も大阪のペースは続く。マブンガを中心にオフェンスを組み立てる京都は、松井や中村太地にも良い得点が生まれるが、パスが回らずテンポを上げられないため単発に終わる。速い展開でのイージーなチャンスがほとんどなく、マブンガとサイモンのコンビがいくら強力でも、アイラ、リチャード・ヘンドリックス、ジョシュ・ハレルソンのディフェンスをこじ開けるのは簡単ではない。

大阪も突き放すには至らないが、ハレルソンの再三のセカンドチャンスポイント、アイラの個人技で2桁前後のリードを保ち続けた。ちなみにこの試合を通じて、ファストブレイクからの得点は大阪の9に対して京都は0、セカンドチャンスからの得点は大阪の15に対して京都は3と、この部分で決定的な差が付いた。

第4クォーター残り3分を切って橋本の3ポイントシュートが決まり、大阪が82-65とリードを広げたところでほぼ勝負アリ。実際は京都が終盤に執念の3ポイントシュート攻勢を見せたのだが、追いつくには至らなかった。86-80で大阪が余裕を持って逃げ切っている。

橋本は3本の3ポイントシュート成功を含むシーズンハイの21得点を記録。得点数もさることながら、合田怜が戦線離脱中、伊藤もケガを抱え、畠山がファウルトラブルとガード陣にトラブルが相次ぐ状況で、橋本が本職ではないポイントガードをこなし、京都を勢いに乗せないゲームメークを遂行したことに意味がある。試合後の橋本は「慣れないポイントガードでチームに迷惑をかけました」とコメントしたが、これは彼なりの謙遜だろう。

スタッツを残していない選手たちも京都の爆発力のカギとなるマブンガや松井を勢いの乗せないディフェンスで勝利に貢献した。大阪はこれで12勝5敗。序盤戦の対戦相手に比較的恵まれている面はあるため、本当の正念場はここからではあるが、連日の京都撃破は西地区トップに相応しいパフォーマンスだった。

12月8日のB1 9試合の結果
富山72-73千葉
島根85-92SR渋谷
秋田85-74A東京
新潟63-67横浜
滋賀82-73三河
京都80-86大阪
北海道78-55三遠
宇都宮87-71名古屋D
川崎98-75琉球