文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

ガードナー中心でも日本人選手が積極的なアタック

B1昇格を果たした島根スサノオマジックが敵地アオーレ長岡に乗り込み、新潟アルビレックスBB戦と対戦した。

立ち上がりから強烈なパフォーマンスを見せたのは新潟のエース、ダバンテ・ガードナーだった。強引なゴール下の攻めに対し、島根は2人がかりでも、ファウル覚悟でも止められない。それでも新潟はチーム自体の動きが鈍く、攻めの形を作れないままガードナーにボールを託すばかりの展開に。

逆に島根はディフェンスリバウンドを確実に取っては素早く攻めに転じ、手数をかけずにフリーを作り出してフィニッシュに持ち込む。ガードナーには第1クォーターだけで11点を奪われたが、戻りの遅いガードナーの弱点を突いてテンポ良く得点を重ねていく。島根が第1クォーターで放った3ポイントシュート7本の大半がフリーで打ったもの。うち3本成功を含む27得点を挙げた。

第2クォーター、両チームともオン・ザ・コート「1」になり、ガードナーがベンチに下がった新潟に対し、島根は8-2のランで35-18と突き放し、新潟にタイムアウトを取らせる。だが、このタイムアウト一つで新潟が立ち直り、試合の流れを変えてしまうのはB1での経験の差だろうか。

新潟はまず守備を立て直した。前から当たることでトランジションのスピードを落とさせ、それまでは簡単に打たせていた3ポイントシュートやミドルレンジからのジャンプシュートを打たせる余裕を与えない。五十嵐圭、池田雄一、鵜澤潤のベテラン勢の面目躍如、ディフェンスを引き締めて島根の勢いを止めると、攻めでもガードナー中心は変わらないものの、五十嵐や鵜沢、畠山俊樹に遥天翼と日本人選手も積極的にリングにアタックし始める。

試合巧者の新潟、一度引き寄せた流れを渡さず勝利

41-42と1点差まで詰め寄って迎えた後半、城宝匡史の移籍初得点で追い付くと、そのまま日本人選手中心のオフェンスでひっくり返し、リードを広げていく。苦しくなった島根は序盤のシュートセレクションの良さがなくなり失速していった。

最終クォーター、島根の強攻が効いて1桁差まで点差が縮まるも、そこでガードナーがしぶとく得点を決めてビッグランを許さない。島根は佐藤公威、ブレンダン・レーンを軸に最後まで粘りを見せたが、やはり新潟が試合巧者だった。ラスト1分を切ってから2度のオフェンスリバウンドを取ってポゼッションを保ち続け、きっちりリードを守り切って82-75で勝利した。

第1クォーターこそガードナー頼みの部分が出たが、特にオン・ザ・コート「1」の時間帯で日本人選手もバランス良く得点を奪い、昨シーズンの課題を解消。五十嵐が13得点、鵜沢と畠山が11得点、城宝が8得点と、試合を通じてオフェンスのバランスも良かった。ガードナーは貫禄の28得点と相変わらずの存在感を発揮した。そして何より、立ち上がりに圧倒されながらも試合中に素早くアジャスト、その後に相手に付け入る隙を与えない試合運びが光った。

明日も同じアオーレ長岡で、14時05分より第2戦が行われる。