長谷川誠

優勝すれば五輪決定、ダメでもハンガリーでの予選に希望

4月23日、味の素ナショナルトレーニングセンターで、3人制男女日本代表チームの公開練習が行われた。4月18日より強化合宿をスタートさせている女子日本代表候補の状態について、長谷川誠ヘッドコーチは「順調にチームができあがってきている」とコメントした。

女子候補選手は昨年のFIBA U23ワールドカップで5位の成績を挙げた高橋未来(デンソーアイリス)、奥山理々嘉(日立ハイテククーガーズ)、江村優有(早稲田大)らを含む11名。競争を勝ち抜いた6選手が、5月3日から5日にかけて栃木県宇都宮市で行われる『FIBA 3×3 バスケットボール ユニバーサリティオリンピック予選2(UOQT2)』に出場し、上位1チームに与えられるパリ五輪への出場権を目指す。

ここで出場権を得られなかった場合は、5月16日からハンガリーで行われる『FIBA 3×3 バスケットボール オリンピック予選(OQT)』で上位3チームを目指すことになるが、長谷川ヘッドコーチはあくまで宇都宮で勝負を決めたいと意気込んでいる。

そのための生命線として、長谷川ヘッドコーチは「点の取り合いだと(試合時間の)10分はあっという間に終わってしまう。基本的に守り勝たないと」と、ディフェンスを重視した選手選考を行うと示唆。「基本的にディフェンスでプレッシャーをかけられる選手。大きい選手でも小さい選手でも、インサイドでもアウトサイドでも10分間を通してそれができる選手を選ぶことになると思います」

加えて、今大会にはエントリーする6人中4人が国内ランキング10位以内に入っていなければいけないというルールがある。候補選手でこれに該当するのは高橋、窪田真優(日立ハイテク)、江村、三田七南(ENEOSサンフラワーズ)、奥山、高田静(同左)の6選手。長谷川ヘッドコーチは「このルールを踏まえた上で、サイズや得点力などのバランスなどを考えながら選考していきます」と話した。

五輪種目に初めて採用された東京五輪から3年が経ち、3人制バスケの競技特性の理解や5人制との住み分け方などは、各国で目覚ましく成長している。長谷川ヘッドコーチは特に、5人制での出場権を逃した国々が脅威だと言及した。

「例えばアゼルバイジャンは、これまでまったく3人制を経験してないWNBAの選手が1人入ったことによってオリンピックの出場権を取りました。そういう国が多分今後も出てくると思うので、我々はディフェンスをしっかりやって、守りきることが鍵になってくると思います」

UOQT2に『ホスト・ワイルドカード』という立ち位置で出場する女子日本代表は、予選ラウンドでオーストリア、ドイツ、ブラジルと対戦。ここで上位2チームに入り、決勝トーナメント制覇を目指すことになる。

長谷川ヘッドコーチは1日に2試合を戦うレギュレーションを踏まえ、「1試合ごとの気持ちの切り替えやモチベーションがとても大事になると思いますし、そういった意味でもうまい選手を4人集めても勝てないと思います。お互いを信頼し合えることが大事」と、パリの切符をつかむために必要なもう一つの大きな要素についてもコメントした。

■日本代表候補選手 強化合宿参加メンバー
高田静 (169cm/ENEOSサンフラワーズ)
中田珠未 (182cm/ENEOSサンフラワーズ)
佐坂樹 178cm/トヨタ紡織 サンシャインラビッツ)
金田愛奈 (175cm/シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)
栗林未和(188cm/東京羽田ヴィッキーズ)
宮下希保 (178cm/トヨタ自動車 アンテロープス)
奥山理々嘉 (180cm/日立ハイテク クーガーズ)
窪田真優 (168cm/日立ハイテク クーガーズ)
高橋未来 (169cm/デンソーアイリス)
三田七南 (179cm/ENEOSサンフラワーズ)
江村優有 (160cm/早稲田大学)