強化合宿中のU-16男子日本代表、指揮官のトーステン・ロイブルは「コミュニケーション能力の欠如」に警鐘を鳴らす

2017/09/26
日本代表
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文=丸山素行

日本の弱点は「コミュニケーション能力がないこと」

U-16男子日本代表は昨日からの3日間、強化合宿を実施している。

練習の冒頭、佐藤晃一パフォーマンスコーチによるアップでは、鬼ごっこを模したダッシュのメニューが取り入れられていた。その際に最後まで前の選手を追いかけない姿が見られ、「あきらめる選手が多すぎる。こういうところで闘争心が表れる」と佐藤コーチは一喝し、雰囲気を引き締めていた。

合宿ではバックドアの対応やバンプなど基本的なディフェンスの強化が図られた。その後もピック&ロールの対応やペイントエリアの守り方など、ディフェンスを中心に練習は進んでいった。

チームメートの名前が分からず、コミュニケーションが取れなかった場面では、「名前を呼んでアクションを指示しろ」と指揮を執るトーステン・ロイブルは激高した。チームメートの名前が出てこないのは意外だったが、試合中にコンタクトをとる上では非常に重要な問題だ。度々その場で選手の名前を確認させ、喋ることを徹底させていた。

「日本の最大の弱点はコミュニケーション能力がないこと。それは文化の一つかもしれないが、感情をむき出しにすることが日本では好まれない。コーチの指示を待つのではなく、コートで自分がコーチになれる選手を探さないといけない。コミュニケーションはその一部」とロイブルはコミュニケーションの重要性を説いた。

アジア選手権の延期は準備期間が増える「アドバンテージ」

ハーフコートの5対5では、『ディナイ』と『ヘルプポジション』、『コミュニケーション』の3点を同時に向上させる、難易度の高い練習が行われた。どれか一つでも欠けると、連帯責任で腕立て伏せのペナルティが与えられた。同時に、ディフェンスが成功した時には声を上げて喜ぶようにと指示が飛び、感情を開放させることでのコミュニケーション向上が図られた。

今日一日の練習を見ただけでも、冒頭は控え目な印象を受けた選手たちが、練習が進むにつれてコミュニケーションを取り、その合間には笑顔も出るようになっていた。

U-16代表は少々難しい立場に置かれている。今秋に行われるアジア選手権に向けて合宿を重ねてきたのだが、開催地が決まらず大会は延期となった。目指す大会が決まらないのでは選手がモチベーションを保つのは難しい。それでも、合宿の機会は増える。ロイブルコーチは「集中を保つのが難しいかもしれないが、育成チームの我々にとってはアドバンテージだ」と前向きに捉えている。

またロイブルコーチは「良い子」と「良い選手」は違うという持論を展開し、「闘争心を今以上に持ってほしい」とメンタル面の向上を強調した。

アジア選手権の日程問題はいずれ解決するだろう。その時に戦うチームとしての準備がどこまで出来上がっているか。ロイブルコーチの手腕とまだ若い選手たちの『プロ意識』が問われる。