経験は浅くとも196cmのオールラウンダーに期待
3人制バスケ『3×3』の男子日本代表は開催国枠での東京オリンピック出場がすでに決まっており、選手選考を進めるとともに、来年夏までにどれだけチーム力を高められるかが問われる。今週はそのための強化合宿が3日間の日程で行われた。今後も月1回のペースで合宿を重ねる。
指揮官のトーステン・ロイブルは、今回の合宿メンバーの10名を軸に強化を進めていくと明言した。その中には今年から本格的に3×3を始めた杉浦佑成の姿もあった。その杉浦は「しばらくやっていなかったので、最初はボールやコンタクトの面で忘れていた面が多かったです。でも2日目以降は感覚も戻ってきて今まで通りにできた」と、合宿を終えた感想を語る。
3人制と5人制の違いはいくつかあるが、最も大きな違いはボールの差だ。杉浦も「小さいし、素材も違うのでグリップ感が違います。僕はキャッチがうまくいかないと良いシュートが打てないので、サイズ感の違いを感じました」と、ボールの違いに苦労したと言う。
それでも、0度、45度、正面の5カ所から3ポイントシュートを放つシュートアウトでは27本中22本を成功させた。「たまたま」と杉浦は謙遜したが、これは落合知也と並んで最多だった。
また、自身の強みを問われると「これというものはない」と、ネガティブに聞こえる発言をした。それでも、これはオールラウンドプレーヤーであることの裏返しで、「インサイドも守れて、ドライブもできて、シュートも打てるというマルチなところが長所です」と、自信を持って答えた。
「チャンピオンシップにも、オリンピックにも出たい」
3×3の男子代表は4人中少なくとも2人が国内ランキング上位10位以上の選手でなければならない。また、10位以下の選手を選ぶ場合は5万4000ポイントを保持するか、国内ランキングが50位以内の選手でなければならない。
杉浦は現在個人ランキングトップ10に入っているが、「このままのポイントでいけるならいいですけど、それを維持できるかは微妙なところ」と、ポイント面で不安を抱えている。もし他の選手がポイントを加算しトップ10から外れた場合、3×3の大会に出場してポイントを稼ぐ必要が出てくる。
Bリーグを主戦場としている選手の多くは同じ問題を抱えている。杉浦の所属するサンロッカーズ渋谷は現在リーグ全体3位と好調を維持しているため、このままいけば初年度以来となるチャンピオンシップ出場の可能性も大いにあり、大会スケジュールに関しても不安が残る。
それでも、代表に残る自信は「なくはない」と言う杉浦は「チャンピオンシップも出たいですし、オリンピックにも出たい」と、3人制と5人制の二刀流を極めようと貪欲であり、タフな日程でも「合宿に行かないという選択肢はない」と断言した。
メダル獲得を狙う日本にとって、メンバー内で2番目に高い196cmのオールラウンダーには今後ますます大きな期待が寄せられることになる。