電光石火のトランジション、まさにオンリーワンのプレー
マレーシアで『東京オリンピック プレクオリファイングトーナメント』が開幕した。バスケットボール女子日本代表は開催国枠でのオリンピック出場をすでに決めているが、この大会に出場。主力の何人かは参加が見送られたが、招集された12選手すべてが持ち味を発揮してインドとの初戦に快勝を収めた。
インドはFIBAランク70位、オリンピックでのメダル獲得を目指す日本代表から見れば格下だが、開始から日本は全力で襲い掛かり圧倒する。本橋菜子、赤穂ひまわり、宮澤夕貴、谷村里佳、渡嘉敷来夢の5人がスタート。ゴール下でパスを受けた渡嘉敷が右コーナーへと開いた谷村にパスを送って決まった3ポイントシュートで日本が先制。そのまま強固なディフェンスからリバウンドを拾っては、アジアカップMVP本橋の繰り出す速攻で得点を重ねていく。試合開始からの5分で15-2と圧倒したところで、インドに最初のタイムアウトを取らせた。
ここで日本はセカンドユニットをコートに送り出し、ポイントガードは代表復帰を果たした吉田亜沙美にスイッチ。本橋が自らプッシュする展開も速かったが、ボールを取った瞬間に相手のギャップを見逃さずパスを送る吉田のトランジションはまさに電光石火。イージーレイアップのチャンスを次々と作り出してリードを広げていった。
谷村里佳を始め、多くの選手が好プレーでアピール
第1クォーターを32-8で終えると、第2クォーターはさらに勢いを増して39-8と圧倒。前半を終えて日本代表のフィールドゴールは39本中28本成功(72%)、さらには25アシストも記録。一方でインドはファストブレイクからの得点もターンオーバーからの得点もゼロで、日本のミスの少なさも目立った。
経験の浅い選手に多くのプレータイムを与えた後半にややペースを落としたものの、120-29で快勝。幸先良いスタートを切った。
15分弱のプレーで11アシストを記録した吉田がオンリーワンのパフォーマンスを披露した他、どの選手も活躍する中で特に目立ったのが先発に抜擢された谷村だった。インサイドで当たり負けしない上にフットワークも良く、インドに起点を作らせない。攻めでは最初のシュートが決まったことで肩の力が抜けたのか、内外で確率良く得点を重ねた。また林咲希、根本葉瑠乃、宮下希保と代表経験が豊富でない選手も攻守にアグレッシブな姿勢を貫き、良いアピールができていた。
日本代表は土曜日にチャイニーズ・タイペイ、日曜日にオーストラリアと対戦する。