堅守のブレイブサンダースが復活、千葉ジェッツに0-19から巻き返す驚異の逆転勝利

堅守のブレイブサンダースが復活、千葉ジェッツに0-19から巻き返す驚異の逆転勝利

2019/10/21

篠山竜青

「自分たちの武器であるディフェンスを徹底できた」

10月19日、川崎ブレイブサンダースが千葉ジェッツと対戦。最大23点のリードを許す劣勢を新生川崎の屋台骨であるディフェンスで盛り返し、96-89で見事な逆転勝利を飾った。

第1クォーター、前日敗れたリベンジを果たすべく、千葉が開始直後からエンジン全開で川崎を圧倒する。ギャビン・エドワーズがこのクォーターだけで14得点と大暴れすると、田口成浩の長距離砲も炸裂し19-0と一気に突き放す。

藤井祐眞を中心とした追い上げに遭って10点差まで縮められるも、第2クォーターに入ると千葉が再びギアを上げる。特にコーナーからの3ポイントシュートが次々と決まり、前半の3ポイントシュートはチーム全体で14本中9本成功と驚異的な成功率をマーク。さらにペイント内の得点でも22-6と優位に立つ文句なしのオフェンスを展開し、前半を56-35と大量リードで折り返す

だが、後半になると川崎は、佐藤賢次ヘッドコーチが「出だしで相手の早い攻撃に全く対応できずに点差が開きましたが、後半は自分たちの武器であるディフェンスを徹底できた」と振り返る、堅守が復活する。

中でも「後半、相手を抑えられた要因の一つにピックアンドロールの守り方を変えたことがあります。千葉さんの3ポイントシュートは前半14本中9本成功が、後半は14本中4本で、作戦変更がうまくいきました」と長距離砲の爆発を止めたことが大きかった。

さらに第3クォーター終了間際には、ベンチメンバーの青木保憲がドライブからバスケット・カウントを2本連続で奪いチームに勢いを与える。「第3クォーターに点差を1桁に縮められたのが勝負どころで、そこから勢いに乗れました」と指揮官が振り返るように、流れをつかんだ川崎は66-73と追い上げて第4クォーターに突入すると、残り7分半に追いつく。

長谷川技

激闘に終止符を打った長谷川技「アウェー連勝は大きい」

ここから千葉も意地を見せ一進一退の攻防が続くが、川崎は2点リードで迎えた残り1分からの攻めにおいて、長谷川技がオフェンスリバウンドを取ってセカンドチャンスをもたらすと、残り34秒にはニック・ファジーカスのパスを受けて得意のコーナーからの3ポイントシュートを成功。これがダメ押しとなり、川崎が激戦に終止符を打った。

決勝シュートを沈めた長谷川は「あれは最高にうれしかったです!」と、いつも冷静な彼にしては珍しく感情を爆発させた。「前半あれだけ入りが悪い中、自分たちのバスケットボールを続けて勝つことができた。アウェーで連勝できたのは非常に大きいです」と勝利の価値を語る。

川崎にとって20点差以上の劣勢をひっくり返す逆転劇は開幕節の宇都宮ブレックス戦に続いて早くも2度目。昨シーズンの川崎は勝負どころで我慢しきれず競り負ける試合も少なくなかった。それが今シーズン、我慢できるようになっていた背景には何があるのか。

佐藤ヘッドコーチはこう言う。「一番大きいのはディフェンスから走れること。オフェンスでうまくいかない。例えば24秒バイオレーションを取られたとしても、次にディフェンスをやれば走れる。その思いが選手一人ひとりにあります。最後、千葉の選手が疲れてウチが走れる展開になったのが昨シーズンとは違うところです」

川崎ブレイブサンダース

「強い川崎だった時のディフェンスができています」

長谷川は、各選手がリーダーシップを発揮できていることが大きいと見ている。「一人ひとりがリーダーシップを持って声を出してやれています。流れが悪い時はしっかりハドルを組んだりして、声を掛け合う。その意識は前よりあります。僕だけじゃなく、青木もポイントカードとして率先してハドルを組んでくれています。それでチームとして、途中でキレずにやれています」

このリーダーシップは、開幕直前のインタビューで佐藤ヘッドコーチが強調していた部分だ。長谷川も「リーダーシップについては、オフシーズンにずっと言われていました」と振り返る。

今日もトータルでは89失点を喫したが、後半に限れば33失点のみ。JBL、NBL時代の強い川崎を支えていた堅守の復活については、普段から控えめな言動の長谷川も手応えを感じている。

「川崎はディフェンスのチームと言われていたのが、ここ数年はちょっと機能していないところがありました。今シーズンここまでは平均失点もリーグ上位で、そこは非常にうまくできている。強い川崎だった時のディフェンスができています」

ただ、これが完成形ではない。長谷川は「常にオフシーズンはこういうバスケットボールをやっていたので、今の内容は想定内で良くも悪くもない。もっとシーズン後半につれて良くなっていけます」と語る。

40分間、強度の落ちないディフェンスとそれぞれがリーダーシップを持つ。川崎にとって、オフシーズンに重視して取り組んできた成果がもたらした今回の連勝となった。

10月20日のB1 9試合の結果
富山67-82大阪
横浜76-63島根
新潟55-77北海道
三遠73-85SR渋谷
滋賀78-83名古屋D
琉球78-71秋田
宇都宮90-84三河
A東京81-53京都
千葉89-96川崎

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