文=鈴木健一郎

東京オリンピックにバスケ日本代表を出場させるために

2年前の12月にバスケットボール振興を目的として設立された『バスケットボール国会議員連盟』。その第2回総会が昨日、衆議院第一議員会館で行われた。

国会会期中ではないため、多くの国会議員が地元に戻っており、参加者は決して多くなかったが、それでもバスケ界の現状を関係者を含めた国会議員にプレゼンテーションする大事な機会。冒頭でマイクを握った川淵三郎エグゼクティブアドバイザーは「3つだけ、力を貸していただきたい」と挨拶した。

川淵は「アリーナ文化の創造」と「帰化申請への協力」、そして「totoにバスケットボールを加えること」の3点について、その重要性を力説。体育館ではなくアリーナである必要性と説き、帰化選手が日本代表の強化に直結することを訴え、サッカーくじの『toto』にバスケットボールを加えることで強化や育成、普及、そしてアリーナ建設のための大きな財源が確保できると語った。

次いで日本バスケットボール協会の三屋裕子会長、Bリーグの大河正明チェアマン、Wリーグの齋藤聖美会長がそれぞれの組織についてのプレゼンテーションを実施。この数年で組織も環境も大きく向上しているバスケットボール界の現状を説明し、今後のさらなる発展がいかに重要かを話した。

バレーボールとビーチバレーの元選手である朝日健太郎参議院議員からは、男子日本代表の東京オリンピック出場について「出場枠がないことにキョトンとしてしまったのですが、ロビー活動はやらないのですか?」とド直球の質問が飛んだ。三屋会長は自身が今年5月にFIBA(国際バスケットボール連盟)のセントラルボードメンバー(理事)になったことを挙げ、「ロビー活動が必要になればギリギリまで活動する」としながらも、『2019年のワールドカップでベスト16以上』という基準をクリアすることを第一優先とし、「全力でサポートするので、正面突破で男子日本代表に頑張ってもらう」と説明した。

「まずはFIBAに認めていただけるような強化をしっかりやっていく。Bリーグができて選手のレベルはすごく上がりました。Jリーグができてサッカー日本代表がW杯に必ず出るようになったのと同じように、男子も必ずW杯やオリンピックに出られるよう、強化をしていきます」と、三屋会長は国会議員を前に約束した。

『バスケットボールくじ』導入には賛否両論?

気になるバスケットボールのtoto入りについては、ある議員が「お金を確保するのに知恵が必要なのは分かりますが、くじに頼ることは考えずに。私どもは反対だとはっきり申し上げます」と語れば、別の議員が「ありとあらゆる財源をしっかり活用するのが大事だと私は考えています」とフォローするなど、『国会議員らしい』やり取りも見られた。

日本代表からは田中大貴と宮澤夕貴が参加。田中は「女子の活躍がすごく目立ちますが、男子も日本のバスケットボールを盛り上げられるように、2019年のワールドカップと2020年の東京オリンピックを目指して精進します」と語れば、宮澤は金メダル獲得という高い目標を掲げた。「リオオリンピックでアメリカと対戦し、世界一の強さを肌で感じることができました。またアジアカップではリバウンドと3ポイントシュートが通用して自信を持つことができました。これからは3ポイントシュートを素早いフォームで打つこと、アメリカのように力強くリングにアタックすることを身に着けて、東京オリンピックでは金メダルを目指します」

日本全体でバスケットボールという競技をさらに普及させ、発展させていくには政治の力も必要。引き続き、十分な現状理解を進め、協力を得られる体制作りが必要となる。