関野剛平

いきなりのオールコートディフェンス、北海道を圧倒

サンロッカーズ渋谷がレバンガ北海道をホームに迎えた水曜ナイトゲーム。前半に広げたリードを最後まで保ったSR渋谷が83-76で勝利し、開幕からの連勝を3に伸ばした。

SR渋谷の伊佐勉ヘッドコーチが「4連勝中で勢いに乗っているレバンガさんに対して、出だしで自分たちのディフェンスがどれだけできるかということに重きを置いた」と試合後に語ったとおりのパフォーマンスで、SR渋谷が試合の主導権を握る。

いきなりオールコートディフェンスを行うことで、北海道のトランジションを潰し、ターンオーバーを誘発。開始5分で関野剛平が放ったロング3ポイントシュートが決まり12-4と突き離した。北海道も開幕から絶好調が続くマーキース・カミングスにボールを集めて勢いに乗り始めるが、ここでSR渋谷は5人全員を交代させてディフェンスの強度を上げた。こうして第1クォーターだけで北海道から6本のターンオーバーを誘発。攻めに転じれば昨シーズンまで北海道に所属していた関野と野口大介のセットプレーからの3ポイントシュートなどで得点を重ね、24-14とした。

第2クォーターもSR渋谷が激しいディフェンスを徹底することで主導権を握り続ける。前半はリバウンドで24-15と大きく上回ったSR渋谷が40-28とリードを広げて試合を折り返す。

橋本竜馬

北海道の追撃を浴びるも、フリースローで耐える

後半の開始から5分で57-37と20点差まで広げたSR渋谷に対し、北海道はリバウンドから立て直して自分たちのペースを取り戻し、セットプレーも噛み合い始めケネディ・ミークスを中心にオフェンスを組み立てて徐々に点差を縮めていく。

点差を付けられてもディフェンスの強度は落とさずに我慢した北海道は、第3クォーター残り3分で橋本竜馬がベンドラメ礼生からオフェンスファウルを誘って相手のペースを乱していく。すると川邉亮平の3ポイントシュートなども決まり、11点差まで縮めて最終クォーターを迎えた。

試合開始から両チームとも激しいディフェンスを続けてきたため、ラスト10分は消耗戦に。特にSR渋谷は第3クォーターまでで26分間出場していたライアン・ケリーに疲れが見え、オフェンスのリズムが崩れ始める。そうするとチーム全体でタフショットも増え悪循環になり、このクォーターでのフィールドゴールはわずか6点に留まった。それでもフリースローを確実に決めていくことで残り1分まで10点のリードを保った。

市岡ショーンのディフェンスリバウンドから走った多嶋朝飛に3ポイントシュートを決められて7点差とされるも、杉浦佑成がファウルゲームのフリースロー4本を確実に決めて、SR渋谷が競り勝っている。

チャールズ・ジャクソン

多嶋朝飛は手応え「最後まで戦うことができた」

この試合では北海道の19本中8本成功に対し、SR渋谷は32本中27本成功と、フリースローでの得点に大きな差がついた。特に勝負どころの最終クォーター、良い形でシュートが打てない状況でも全員が攻める姿勢を失わずにフリースローを獲得。ここで17本中14本を決めたことが、北海道の勢いが目立つ中でもリードを保つ要因になった。

一度もビハインドを背負うことがなかったSR渋谷にとっては危なげのない完勝にも見えるが、伊佐ヘッドコーチは「前半は28点に抑えているのに、後半で48点も取られている」と後半にディフェンスの強度を保てなかったことを指摘した。それでも「選手たちがしっかり最初でディフェンスのインテンシティを上げ、自分たちのペースで進むことができた」と手応えを語る。

北海道は開幕からの連勝が4でストップ。それでも多嶋は好調のSR渋谷と競る展開に持ち込めたことをプラスにとらえている。「自分たちがやりたいプレーをできた部分もありましたし、最後まであきらめずに戦うことができたことも含めて、自分たちが日頃から目指しているバスケットを追及して質を高めていけば、勝てない試合ではないとも感じました」

全勝チーム同士の対戦はSR渋谷に軍配が上がった。週末にはSR渋谷が三遠ネオフェニックスと、北海道は新潟アルビレックスBBと、それぞれ敵地で戦う。

10月16日のB1 9試合の結果
秋田65-60A東京
千葉69-76宇都宮
SR渋谷83-76北海道
三遠71-80横浜
三河93-74新潟
大阪59-90京都
島根61-78滋賀
川崎69-73富山
琉球83-73名古屋D