「自分の役割は積極的に攻めて、空いていたら打つこと」
女子アジアカップ準決勝、日本はFIBAランキング3位の強豪オーストラリアと対戦した。立ち上がりで日本は思うようなプレーができず苦戦し、第1クォーターを15-23とオーストラリアにリードを許した。
それでも第2クォーター、セカンドユニットの本橋菜子や林咲希、本川紗奈生が試合の流れを変えた。中でも本橋は、先日の韓国戦に続き勝負どころで3ポイントシュートを確率良く決め、さらにドライブで果敢に攻めてオフェンスに勢いをもたらし、逆転勝利の原動力となった。
難しい試合で逆転勝利できた要因を、本橋は「空いているところでシューターがしっかり打ったり、攻めるところでしっかり攻めて行けるよう、自分の役割を一人ひとりがやれたことが良かった」と語る。
「自分の役割は積極的に攻めて、空いていたら打つこと」と言う本橋自身も、自分の仕事を果たした。立ち上がりの劣勢を受けてコートに立った本橋の仕事は流れを変えること。「とにかく空いていたら思いきりシュートも打ちましたし、ドライブもミスマッチだったら積極的に攻めるようにしていました」という意識で、重かったオフェンスに喝を入れた。
「韓国戦で3ポイントシュートが入ったので、それが自信に繋がりました。前が空いたらとにかく打つという感じで、ちょっと強気に試合に挑みました。そうすると、ディフェンスが3ポイントシュートを警戒して前に出てきて、ドライブが行きやすくなるので、そこで上手く流れが作れたかなと思います」
「1対1では守れる自信があるので、そこはやらせたくない」
先発の町田瑠唯は繋ぎに周り、本橋がメインのポイントガードとしてチームを引っ張った。ゲームハイの22得点という数字以上に、劣勢から巻き返して難しい試合を勝利に持って行く強気なゲームメークが光った。ただ、本人はなおも課題を感じている。
「勢いに乗っている時は前が空いていたら思いっきり打つことができました。だけど一個一個冷静に考えると、あそこのシュートは打たないでドライブ行くべきだったとか、まだまだ判断は甘いと感じる部分があります。今日は日本に勢いがあったので崩れなかったですけど、そうじゃない時は判断をもっとしっかりしていかないといけないです。この試合の後半は、点差が離れていたから良かったけど、そうじゃなかったら苦しかったんじゃないかなと感じました」
今夜の決勝で戦う中国に対しては「中国のガード陣は積極的に攻めてきて、得点も取れるので、そこは絶対に取らせたくないです。1対1では守れる自信があるので、そこはもうやらせたくないですね」と、意気込みを語った。
中国と対戦するファイナルは、今夜21時15分の試合開始。ここでも自慢の得点力で自ら打開してオフェンスを引っ張る本橋のプレーに期待したい。