指揮官の高い要求に応え、自身初のアジア制覇を目指す
女子日本代表は9月24日から開催されるアジアカップに向け、日本を発った。
現在3連覇中の日本が狙うのはもちろん4連覇だが、中国やオーストラリアなどの強豪にとっては東京オリンピック出場を賭けた戦いで『本気モード』のため、日本にとっても優勝は簡単な目標ではない。東京オリンピックもあるため注目され、選手たちには重圧ものしかかる。
ポイントガードの本橋菜子は昨年から代表に加わっているため、初めてのアジアカップとなる。「私は3連覇に全くかかわっていないので、メンバーが変わって連覇を途絶えさせてはいけない、そういうプレッシャーを多少は感じます」と言う。
それでも「それを感じたところで自分のプレーができなくなっても仕方がないので、良い意味で挑戦だと思って、思い切りプレーしたいです」と、吹っ切れた心境のようだ。
ここ何回かの合宿で指揮官のトム・ホーバスは「まだ良いプレーが見れていない」と本橋について語っていた。『高値安定』のパフォーマンスを見せていた本橋にとっては厳しい指摘だが、本人も「求められているレベルが高いと感じる時はありました」と明かす。
「出た時間でチームのためにできることをしたい」
こうした状況の中、ホーバスコーチはアジアカップでの先発に町田瑠唯の名前を挙げた。本橋は長らく先発を任されていただけに、少なからず悔しさはあるだろう。それでも、確実にタイムシェアをするチームにおいて、本橋のプレータイムは確約されており、起用法への戸惑いは全くないと言う。
「スタートでも控えでもやることは変わらないですし、自分のプレーができればプレータイムも伸びてきます。出た時間でチームのためにできることをしたいです」
本橋の持ち味はドライブからの得点力、それを可能にする状況判断の良さだ。最近ではホーバスコーチにも「菜子らしいプレーができている」と言われているようで、アジアカップに向けて調子を上げている。
アジアカップで4連覇を達成できれば、間違いなく東京オリンピックへ弾みがつく。信頼を取り戻し、オリンピックでも中心選手であり続けるため、本橋にとって大事な挑戦が始まる。