写真=Getty Images

試合前のルーティーンがもはや『ショー』として成り立つ

ステフィン・カリーはNBAを代表するスター選手となった今も、レベルアップに繋がるものは吸収しようとする努力家だ。アジアツアーで訪問した中国の広州で、弟のセス・カリーとともに太極拳を学んだカリーはこう語っている。

「バランスを保つにのに良いし、集中力の維持にも役に立ちそうだ。教えてくれたジョディは簡単そうにやっているけれど、実際はかなり難しいよ。動きはスローだけれどね。来シーズンの試合前ルーティンに加えてもいいと思っているんだ」

カリーといえば、試合前のルーティンの種類が多い選手としても知られている。2016年4月3日にオラクル・アリーナで行なわれたトレイルブレイザーズ戦前のルーティン映像を、『NBA公式』YouTubeチャンネルが紹介している。

そのメニューは以下の通りだ。

両手にボールを2つ持ってのハンドリング
その場で左右交互に股の間を通すドリブル
ペイント内で左右のフックショット
ペイントエッジでのシュート練習
アンバランスな状態でのシュート練習
3ポイントライン手前からドリブルしてのシュート練習
ウィングからのシュート練習
ペリメーター内でリバウンドを奪う、またはルーズボールを拾ったと想定してのシュート練習
左右交互に股の間を通すドリブルからのシュート練習
3ポイントライン手前からのシュート練習
トップ・オブ・ザ・キー付近からのシュート練習
ハーフライン付近からのシュート練習
通常よりリリースポイントが高い山なりの軌道のシュート練習
クイックリリースからのシュート練習
片足を軸にサイドラインぎりぎりの位置からのシュート練習
バンクショット練習
エンドライン近くからのシュート練習
マークマンとの接触を意識してのシュート練習
フリースロー練習
キャッチ・アンド・シュート練習

それぞれをさらに細分化することもできそうだが、ひとまず上記のようなルーティンをこなしている。

シュート練習以外にも、そのルーティンは多種多様。昨シーズンはバスケットボールを砲丸投げのフォームで投げたり、イアン・クラークを野球のキャッチャーに見立てて投げたり、クラークが投じるタッチダウンパスをベンチ手前で受け取ったり、バレーボールのラリーをクラークと続けたり、一見すると不真面目に見えるが、カリーにとっては普段のリズムでプレーする上で欠かせないのだろう。

上記に太極拳が加わるというのだから、試合前ルーティンをこなすだけで相当な時間が必要になる。来シーズンのウォリアーズ戦を現地で観戦する場合は、とにかく早めに会場入りし、一連のルーティンをその目でチェックしてみるのも良い思い出になるに違いない。