「代表で一緒にやった選手ともう一回やりたい」
栃木ブレックスは今日、新たなヘッドコーチとして迎えた長谷川健志の就任記者会見を行った。
鎌田眞吾代表から「チームワーク良く育ててくれるところに魅力を感じた。ブレックスのこれまでの10年間を継承しながら良いところを伸ばして、チームを成長させてくれると信じている」と紹介された長谷川は、昨年11月末の日本代表ヘッドコーチ退任以来の現場復帰となる。
「正直言いますと、Bリーグ初代チャンピオンのヘッドコーチというのはプレッシャーもあります」と、長谷川は栃木のヘッドコーチとしての第一声を発した。「ただこの栃木のファンの皆さまの情熱溢れる応援は、やはりコーチも選手と同様に多くのファンに応援されて試合をすると、非常に勝ちたい思いも強くなりますし、素晴らしいと思います。こういうところでヘッドコーチをやれることに対して感謝と覚悟を持って仕事をさせていただきたい」
「他のチームからも話はいただいたんですが、私としては今シーズンはもう一度勉強したいという気持ちがあり、話をいただいて正直悩みました。栃木のファンのこと、そして私も60歳に手が届く状況で、田臥(勇太)選手など代表で一緒にやった選手とコートの中でもう一回やりたいと……。あとは選手が入れ替わった中で、次の進化を目指さなきゃならないと考えた時に、優勝したなら優勝しなければならない。これから進化するチームになるよう自分も努力したいと思いました」
また、昨シーズンのチームについては「粘り強い」との印象を持っていた。「まさしくファイナルとかセミファイナル、クォーターファイナルでも粘り強いですよね。『これはもうキツいかな』という場面から見事に跳ね返して自分たちのリズムに持っていく。そこにはきちっとしたチームワークとかディフェンス力とか、要所要所でしっかり走れるし、ベーシックなものをしっかりやっていたという印象があります」
「良いところは継承しなければいけない」
目指すスタイルは攻撃型。「すべてにおいてアグレッシブに攻撃的に、運動量の多いバスケットを目指したいです。なかなか簡単にいかないです。リスクのある判断とか、それに伴う技術はより高めていかないといけない。それを高めることが進化することになってくるのでチャレンジしたい」
前任のトーマス・ウィスマンは守備に重きを置いていた。「攻撃型のバスケを目指す」とは言っても、これまでの栃木のスタイルは継承することも強調した。「良い伝統があるので、それを一度ゼロにする必要はなくて、良いところは継承しなければいけない。それがどんなスポーツ、どんなビジネスの世界でも一緒です。ただ、ディフェンスはやはりちょっとずつ変わるかもしれないです」
長谷川はこれまで青山学院大の、そして日本代表のヘッドコーチとして数多くのトップ選手を育ててきた。育成手腕を見込まれての登用ではあるが、もちろん目標はBリーグ連覇であり、オールジャパンでの優勝だ。ファイナルまで戦い抜いたチームの始動はまだ少し先。それでも長谷川は優勝チームを引き継ぎ、さらに進化させることに確たる自信を持っているようだ。
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