カリー、トンプソンの存在も影響
ドレイモンド・グリーンは、現在の契約を満了する来年の夏、フリーエージェント市場で最も去就が注目される選手の一人になると思われていた。だが彼は、この夏にウォリアーズと4年1億ドル(約106億5800万円)という延長契約を結んだ。
彼ほどの選手ならば、年俸3000万ドル(約31億1800万円)超えの契約を他チームから提示されていても不思議ではないだけに、この時期の延長契約は意外だった。どうしてウォリアーズ残留を早々に決めたのか、グリーンは『ESPN』とのインタビューで、独特な言い回しを使ってその理由を語った。
「多くの選手は、フリーエージェント市場に打って出て、自分の価値を試したいと言う。でも、試すということは、思っていたような結果にならない可能性もあるということ。そういう話は何百万回と聞いて来た。市場に打って出て試さないと、何を得られるかは分からない」
「ただ、代理人と話していたのは、このビジネスを理解するということ。来年、5チームが自分に年俸3000万ドルの契約を提示する可能性があるとする。でもここで大事なのは、このビジネスを理解することなんだ。3000万ドルを使える5球団の内、どの球団が本当に自分にそれだけの金額を投じるのかどうかを把握しないといけない」
グリーンの中では、1年目から一緒にやって来たステフィン・カリー、クレイ・トンプソンの存在も大きかった。
「その一方で、このリーグでプレーするようになってから一緒にやって来たステフとクレイという2人がいる。年間46勝、48勝、50勝、60勝、そして73勝と上がって、彼らと一緒に3回も優勝した」
「NBAキャリアの日々を彼らと過ごして来た。2人とこれからも一緒にプレーして、これからも功績を残せるチャンスがある。魅力的でなかった時期から自分たちがゴールデンステイトを盛り上げてきた。これだけのことをやってきて、どうして去らないといけないの?赤ん坊を置き去りになんてしないだろ?ゴールデンステイト・ウォリアーズは、自分たちの子供のような存在。自分の子供を置いて立ち去ったりはしないさ」
このオフにはケビン・デュラントがネッツに移籍し、功労者であるアンドレ・イグダーラ、ショーン・リビングストンも退団した。来シーズンのウォリアーズは、最年長のカリーを先頭に再出発する。
ディアンジェロ・ラッセルら若い選手とのプレーを楽しみにしていると話したグリーンは、それ以上に、シーズン前の評価が高くないことを歓迎している。
「格下と思われているのは良いね。格下なんて言われるのは久々。そう言われなくなって寂しくもあった。ステフも同じ気持ちだと思う。それにクレイともメールでやり取りをしていて、彼も同じように考えているはずだよ」
面子は大きく変わったが、黄金期を築いた主力の3人は残っている。絶対王者時代も、チャレンジャーだった時代も、グリーンは今と変わらずガムシャラに勝利のために全力を尽くした。戦力ダウンにより優勝争いに加わる可能性が低いという評価は、グリーン、そしてウォリアーズにとって、最高のモチベーションでしかない。