八村塁

13本の3ポイントシュートを浴びて104失点の敗戦

バスケットボール日本代表はニュージーランドを迎えてのテストマッチを実施。一昨日は99得点とオフェンス好調で完勝したが、この日は常にビハインドを背負う展開で敗れた。

足首を痛めていた渡邊雄太がスタメンで出場。相手のガードが仕掛ける1on1にフットワークで上回って突破を許さず、タフショットを打たせると八村塁が走り、スピンムーブからバスケット・カウントをもぎ取った。渡邊はニック・ファジーカスとのピック&ロールからクリエイトするなど高い能力を見せるも、ケガの影響でチーム練習から離れていたこともあり、ボールが手につかない場面も。第1クォーターは八村が個人技から11得点を挙げて25-29と接戦を演じたが、第2クォーターに突き放される。

ニュージーランドは日本を上回るスピードでボールを運び、空いていると見れば迷わず放つ外角シュートを確率良く決めていく。シンプルにスクリーンを使ってのキャッチ&シュートにチェックが追いつかず、このクォーターに5本の3ポイントシュートを浴びて突き放された。

42-61で迎えた後半、日本代表が立ち直る。きっかけを作ったのはバックコート陣。篠山竜青がボールを動かし、比江島が巧みなパスでシュートチャンスを演出する。さらにボールへの執着心と果敢なアタックを見せる馬場雄大がダイナミズムをチームに注入。ファジーカス頼みでも八村頼みでもなく、チームとして攻守が噛み合ったことで猛追を開始した。

主力がベンチに下がった第3クォーター終盤から第4クォーターにかけては、シェーファー・アヴィ幸樹が攻守にチームを盛り立てる。豪快なショットブロックで日本に流れを呼び込み、安藤周人のドライブレイアップ、安藤誓哉が速攻からファウルもぎ取る。

比江島慎

最後まで運動量の落ちないニュージーランドを崩せず

85-93と点差を詰めた残り3分、篠山、比江島、馬場、八村、ファジーカスとベストメンバーに戻して最後の勝負に出る。ところが、ここで日本は失速してしまった。オフェンスリバウンドを奪われてのバスケット・カウントで出鼻をくじかれ、比江島とファジーカスの呼吸が合わないパスミスからワンマン速攻を許した。最後まで運動量の落ちないニュージーランドを崩せず、最終スコア87-104で敗れた。

指揮官フリオ・ラマスは、勝敗を問わないテストマッチであっても「ディフェンスに課題が出た」と渋い顔。田中大貴も「ハリーバックできないところがあると徹底的に狙われる」と3ポイントシュートを打ちまくられたディフェンスの課題を語るとともに、オフェンスでエースの八村が19得点を挙げながらもフィールドゴール15本中6本と確率が低かった点について「相手も対策してくるので、塁は相当削られていました。もっとボールを回してフォローする必要があった」と反省する。

渡邊は前日にチーム練習に軽く参加しただけでの実戦復帰で、試合前からプレータイムを制限することを決めていたとのこと。次の国際強化試合、22日のアルゼンチン戦までに、ここで見つかった課題に向き合い、チーム力を高めることが求められる。