「落ち着いて我慢強くチームとして戦い、ディフェンスをしっかりする」
5月23日、Bリーグファイナルのゲーム1で琉球ゴールデンキングスは長崎ヴェルカに71-69で競り勝った。
琉球は出だしからタフなディフェンスで主導権を握り、20-9と先制パンチに成功する。さらに琉球はオフェンスリバウンドで21-12とゴール下での競り合いを制することで、試合を優位に進めていく。だが、長崎の持ち味である平面での激しいプレッシャーに苦しんで17ターンオーバーを喫し、長崎の得意とするアップテンポな展開が徐々に増えることで、第4クォーター序盤に追いつかれてしまう。
しかし、デイミアン・ドットソンがこの長崎の流れを断ち切った。こう着状態に陥った第4クォーター中盤、バスケット・カウントで会場を盛り上げると、続けて3ポイントシュートを決める。さらにヴィック・ローの長距離砲をお膳立てするナイスアシストも見せ、琉球に流れを一気に引き寄せた。試合全体を通しても17分32秒のプレータイムで11得点4リバウンド2スティールと、攻守で大きなインパクトを与えた。
「タフな試合でした。ただ、僕たちには経験豊富で冷静な選手たちがいます。明日も集中して、ハードにプレーすることで、もっと良くなれます」
こう試合を振り返るドットソンは、勝負どころでの活躍について「前半で相手がどうやって自分を守ってくるのか理解できました。だから、後半はどんな位置でボールをもらえば、プレッシャーを受けながらでも気分良くプレーができるのか分かっていました」と理由を明かす。
また、長崎の反撃をくらっていた時も、ドットソンは次のように冷静だった。「やるべきことに集中するだけです。試合は長いので、相手のペースになることもあります。そして長崎はリーグ最高勝率のチームです。ただ、落ち着いて我慢強くチームとして戦い、ディフェンスをしっかりする。それができれば、自分たちに勝つチャンスが来ると思っていました」

「良き同僚となって、キングスのやり方について学ぶことを続けてきました」
ドットソンはNCAA1部のオレゴン大とヒューストン大を経て、NBAニックスに加入。キャバリアーズと合わせNBAで通算213試合出場を誇るベテランは、12月に琉球に加入した。当初はシューターとしてのプレーが目立っていたが、試合を重ねるごとにハンドラーとしても活躍する場面が増えていった。特にチャンピオンシップに入ってからは岸本隆一と共に切れ味鋭いドライブで相手ディフェンスを崩す、貴重な攻撃の起点になっている。
このハンドラーとしてのステップアップについては、「夏の間、このために激しいトレーニングを行なってきました。すべては良いプレーをして、チャンピオンシップを勝ち取るためです。そして今の自分は、夏のトレーニングの成果を信じています」と、オフの練習の賜物と語る。
シーズン途中はなかなかチームにフィットしきれずに苦しんでいた。しかし、自分が周囲に歩みよる謙虚な気持ちでチームに貢献する方法を模索したことで、今のハイパフォーマンスに繋がっているとドットソンは言う。
「最初、ここに来たばかりの頃は、自分が何をするべきか少し戸惑う時もありました。でもコーチ陣、チームメートはともに素晴らしい人たちです。そして僕はベテランなので、どうにかして自分の役割を見出さないといけない。このチームにはネガティブな影響ではなく、ポジティブなインパクトを与えるためにきました。だからチームメートの話をよく聞き、みんなにとって良き同僚となって、キングスのやり方について学ぶことを続けてきました」
王座奪還に王手をかけた琉球だが、ドットソンに油断はない。「明日はよりプレッシャーがかかります。だからこそより集中して、チームが一体になる必要があります。お互いを信頼し、何とか勝利をつかめることを望んでいます」
明日のゲーム2、長崎が今日以上の強度で激しいプレッシャーをかけてくるのは間違いない。その中でキングスのやりたいオフェンスを遂行するには、ドットソンの切れ味鋭いドライブが再び必要となってくる。
