
「今日は負けたけど、次は勝ってみせるよ」
ティンバーウルブズのジェイデン・マクダニエルズは、エースのアンソニー・エドワーズと同じ2020年のNBAドラフト組。エドワーズが全体1位指名、マクダニエルズは1巡目28位指名とドラフト時点での評価には差があったが、ルーキーイヤーから主力として活躍し、6年目の今シーズンまで互いに切磋琢磨しながらウルブズに欠かせない戦力となっている。
どちらも攻守に貢献できるオールラウンダーではあるが、エドワーズがここ4年連続でチーム最多の得点を挙げてオフェンスを引っ張るのに対し、マクダニエルズは206cmのサイズと長いリーチ、俊敏さを生かしたウイングディフェンダーとして評価を勝ち取ってきた。キャラクターも対照的で、エドワーズはビッグマウスを発揮して世間の注目をエネルギーに代える一方で、マクダニエルズは寡黙に努力を重ねる印象が強かった。
しかし、今回のプレーオフでマクダニエルズは自分のイメージを覆す言動を見せている。コート上での激しい守備はいつも通りだが、ナゲッツとの第2戦に勝利した後、「ディフェンスの苦手な選手を狙うんだ。ニコラ・ヨキッチやジャマール・マレー、あとはティム・ハーダウェイJr.にキャム・ジョンソン、アーロン・ゴードンもだ。つまり全員、ディフェンスができない」と言い放った。
彼はわざと相手を挑発して怒らせ、過激な発言で自分とチームメートを奮い立たせようとしている。第4戦では勝敗が決していた試合終了間際に、時間を流すのではなく得点を奪った。この『挑発行為』はヨキッチを激怒させ、両チームによる揉み合いに発展したが、これも第5戦以降に向けた心理的な駆け引きの一つだろう。
もっとも、挑発は自分に返って来る。現地4月27日に行われた第5戦はデンバーでの試合で、マクダニエルズはボールを持つたびに盛大なブーイングと「ジェイデンは最低」というコールを浴びることになった。
それでもマクダニエルズは「観客の声はもちろん耳に入って来るけど、それも楽しめている。ブーイングされている間、ずっと僕は首を振りながら笑っていた。観客の反応は予想できていたし、ブーイングに影響されることはない。むしろ僕にエネルギーを与えてくれる」と言う。
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— Minnesota Timberwolves (@Timberwolves) April 28, 2026
エドワーズとドンテ・ディビンチェンゾが第4戦のケガで戦線離脱となった影響は大きい。ディフェンスの注意を引き付ける彼らの不在でズレが生まれなくなり、ペイントエリアを固められた。ボールムーブが停滞すればミスも増える。ウルブズは試合を通してアシスト26に対してターンオーバーが25と、攻めの停滞が大きな課題となった。マクダニエルズもオンボールでプレーする機会が増えたが、4つのターンオーバーを記録している。
もう一つ、彼を苦しめたのがファウルトラブルだ。試合開始から約2分で2つのファウルを犯し、すぐにベンチに下がることになった。マクダニエルズがコートに戻った第2クォーターに押し返したものの、その後はナゲッツに突き放され、113-125で敗れた。
マクダニエルズは言う。「ファウルトラブルは以前にもあったし、激しく戦う姿勢は変えたくない。プレーオフでお互いにフィジカルに激しくやり合っているだけで、汚いファウルではないからね。ターンオーバーは単純に集中が足りず、急ぎすぎてミスが出た。相手の調整もあるけど、自分たちが3勝した時のプレーから離れてしまったと感じている。次にどう修正すればいいかは分かっているよ」
黙々と努力を重ねているうちはブーイングとは無縁でいられるが、この先はそうはいかない。「敵意や憎しみが最高の自分を引き出してくれる。今日は負けたけど、次は勝ってみせるよ」
もっとも、次はホームに戻っての第6戦。敵地でブーイングを浴びるマクダニエルズの姿を見た人々は今までになかったレベルの声援を送るはずだ。その後押しを受けて、マクダニエルズはこれまで通りジャマール・マレーを抑え込み、同期のエースの分までオフェンスでも奮起するに違いない。